過去ログ - ネミッサ「いつかアンタを泣かす」 ほむら「そう、期待しているわ」
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◆sIpUwZaNZQ
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2013/01/06(日) 21:50:28.80 ID:WjAemYY10
その翌日からは、魔法少女になるためのさやかの指導が始まる。世話好きなマミは嬉しそうに説明していた。嬉しいという晴れの表現が望ましいとはいえないが、少なくともマミはさやかを死なせないため、正義の味方にする努力を望んでいた。戦い方は遠距離近距離と違うが、魔力の使い方や心構え、魔女への対応などを指導する。
ネミッサは指導から外れている。魔法のシステムやら戦い方が違いすぎる。そもそもソウルジェムがないのだから仕方ない。
「気に入らないの?」
以下略
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◆sIpUwZaNZQ
[saga]
2013/01/06(日) 21:52:19.30 ID:WjAemYY10
さやかの教育を外れたネミッサは、終日天海市にいた。さやかのことはマミに任せるしか無い。可能であればさやかを杏子から守りたかったが、頼って欲しいというマミの願いに応じることにした。自分には自分にできることがある。そう信じて。幾つも訪問先をめぐり情報や武器を回収するとその晩遅く帰宅した。
頼んでいくらも日数も立っていないのにかなりの収穫があった。特に、研究や情報は非常に多くの話や資料が集められた。あのサマナーの相棒というだけでこれだけの人が自分に力を貸してくれる。
(私は頼っていいんだ。マミちゃんだけじゃない。みんなに、ホムラちゃんに)
以下略
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◆sIpUwZaNZQ
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2013/01/06(日) 21:52:46.76 ID:WjAemYY10
契約の詳細を知らせずゾンビにさせられたことを激昂する杏子、呆然とするマミ。その横で、ほむらが回収したソウルジェムにより息を吹き返したさやか。
そして、真っ青な顔で立ち尽くすまどか。
ネミッサの心は嵐だ。事実を知っているほむらや、強靭な精神力でねじ伏せる杏子はいい。なりたてのさやかやマミはどういった反応を示すか全く予想がつかない。特に、QBを家族のように思っていたマミの心理状態が恐ろしい。長年に渡って騙されていたことを知り混乱しているかもしれない。
元々、信条の合わないさやかと杏子の殺し合いの場としてここに集まったはずではあるが、全員があまりの衝撃により戦うことができなくなってしまった。まどかはさやかを抱きかかえ、心もとない足取りで帰る。一方マミはその場にしゃがみ込み立ち上がれない。
以下略
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◆sIpUwZaNZQ
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2013/01/06(日) 21:54:06.69 ID:WjAemYY10
震えるマミの体を抱き、部屋まで運んでいく。真実の重みとQBの裏切り。その心の痛手はネミッサの理解できるものではなかった。出会ってからずっとマミを泣かせているように思えて、ネミッサは息が苦しい。突き飛ばされるかとも思ったが、その手はしっかりとネミッサの服を握りしめ離す様子はなかった。
「ごめんなさい……ネミッサ」
「いいのよ、アタシも一日空けてゴメン」
以下略
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◆sIpUwZaNZQ
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2013/01/06(日) 21:54:45.99 ID:WjAemYY10
マミはショックと闘いつつも、さやかの指導を行っていた。
ネミッサは天海市とマミの部屋、あるいはほむらの部屋を往復し、来るべき災禍の準備を進めていた。魔法少女でない自分が来ることを快く思っていない人物がいたため、パトロールに行くよりはと積極的に準備を行なっていた。
ようやく立ち直ったマミとともに、まどかとほむらに出会う。まとまった資料を元にほむらと相談を行うためだ。丁度パトロールの時間に合わせたのだが、意外な人物がいた。杏子である。なんでもこの間のいざこざから、グリーフ・シードをさやかから譲り受けることで決着したのだが、新人のさやかは手持ちがない。そのため、訓練と称し杏子の目の前で魔女を倒し、そのグリーフ・シードを渡した。
だが、そのためにさやかは杏子ですら背筋の凍る戦法をとった。
以下略
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◆sIpUwZaNZQ
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2013/01/06(日) 21:56:35.27 ID:WjAemYY10
放課後、校門前からやや離れた物陰でにネミッサは立つ。マミをまつ銀髪のネミッサは名物のようなものだった。だがその表情にいつもの朗らかさがないため、周囲に威圧感を撒き散らしていた。ほむらたちより先に下校したマミはその表情に不安を覚えた。何かするのではないかと思うと、気が気ではなかった
ほむらとまどかに連れられ、松葉杖の上条とそれを支える仁美が現れる。仲睦まじい姿に告白が実ったことを察したネミッサは、迷うこと無く真っ直ぐ二人に近づく。慌ててマミがそれを追う。
「カミジョー、ヒトミちゃん。単刀直入に聞くわ。サヤカちゃんの行き先に心当たりない?」
以下略
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◆sIpUwZaNZQ
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2013/01/06(日) 21:57:25.47 ID:WjAemYY10
「アンタは、『カミジョーへの告白を一日待つ』とか言って、サヤカちゃん追い詰めたらしいわね。どう? 親友追い詰めて幼馴染も奪った気分は」
「止めて! 仁美ちゃんも苦しかったんだよ! だから、あんなことになって」
「苦しかったらなにしてもいいのか! 相手の事情も気にせず追い詰めていいのか! それがいいならアタシが何やったっていいはずだっっ!」
以下略
79
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◆sIpUwZaNZQ
[saga]
2013/01/06(日) 22:00:56.78 ID:WjAemYY10
ネミッサを追いかけ、マミが近寄る。先のネミッサの暴走により、さやかが戻った時の二人の態度がどうなるであろうか。さやかをなじるか、逆によそよそしくなるか。見当がつかない。
また、まどかがすっかり悲しんでしまい、ほむらが怒るであろうことは想像に難くない。まさに彼女が行ったことはただの暴走であり、暴挙だ。
だが、同時にネミッサの気持ちもわからなくはない。ネミッサはマミに看病してもらった恩を忘れてはいない。それはそもそもマミを庇っての怪我であるのだから、ネミッサが恩義に感じることではない。にも関わらずネミッサは恩として返した。彼女の情に厚い心の現れだ。そんな彼女が、幼馴染の支えをまるで気づかない、あるいはそのフリをしていることが許せなかった。
何気ない会話でいうことは、ネミッサはしきりにマミやほむら、さやかにまどかを褒めるのだ。可愛いから始まり、優しい、楽しい、守りたいなどなど。それを面と向かって言われるマミは赤面してしまう。堪ったものではない。
だからマミは思う。ネミッサは悪い子ではない。その証拠に、あんなに泣いているではないか。
以下略
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◆sIpUwZaNZQ
[saga]
2013/01/06(日) 22:01:32.32 ID:WjAemYY10
突然のことに打ちひしがれる二人に、戻ってきたマミが声をかける。
「ごめんなさい、二人とも。ネミッサが酷いことを言ったわね。私から謝ります」
「いいえ、そんなことありませんわ。ネミッサさん?のいうことも一理ありますから」
以下略
81
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◆sIpUwZaNZQ
[saga]
2013/01/06(日) 22:02:06.10 ID:WjAemYY10
夜を走り抜ける杏子。杏子にはさやかの行き先の心当たりがあった。それは魔女の結界。それが使い魔であろうとなんだろうと戦い倒すことは彼女の正義だった。だから手当たり次第に結界に入っていると予想した。そこなら出会える、捕まえられる。
杏子が魔法少女になったのは、父親のためだった。父親は宗教団体に所属しており、教団の教義を自らの教会で説法していた。新聞記事を見ては心を痛める優しい誠実な父親は、時に教義とは関係ない説法をするようになる。杏子にとってはそれはそんなに人として間違っていることには思えなかった。だがそれにより教団本部から疎んじられ、やがて破門。徐々に生活も困窮していった。
『みんなが父親の話を聞いてくれるように』彼女はその願いで魔法少女になった。それにより父親の支援者も信者も増え、家族にも笑顔が戻った。杏子は裏から、父親は表から世界を良くする、そう信じて杏子は戦いに身を投じたのだ。その頃マミと出会い、マミを師匠として魔法少女として辛くても報われる二重生活を続けていた
父親にその事がバレるまでは。
キリスト教系だったのだろうそれにとっては、彼女の魔法は悪魔の所業と写った。我が娘を魔女と罵り絶望し、無理心中を図った。支援者や信者が増えたのは自分の力ではなく、悪魔の力によるものだったと知った彼の絶望はそれだけ深かったといえる。聞くまでが杏子の願いで、その判断は聞いた人それぞれであったはずだったが、今の杏子にとってはもはや無意味な話だ。
以下略
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◆sIpUwZaNZQ
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2013/01/06(日) 22:02:59.27 ID:WjAemYY10
ネミッサは翌朝すぐに二人に謝罪した。あのとき以上に真剣な眼で二人を見据えるとまっすぐに頭を下げた。
「ごめんなさい、アタシ言い過ぎた」
背後にマミの気配を感じたが、どうにもなるものではない。許してくれるまで顔を挙げないつもりでいた。
以下略
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