過去ログ - 伊織「さようなら」
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11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/12(火) 20:45:26.33 ID:fz9LGbgw0

そして店員さんがやってきた。歳をとっているけれど、笑顔のきれいな品のあるおばあさんだった。
ちょっとふっくらしていて、着ている花がらのエプロンは、とってもよく似合っていた。

『ご注文は、お決まりですか』
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/12(火) 20:46:26.82 ID:fz9LGbgw0

『お待たせいたしました、サンドイッチと、オレンジジュースです』
差し出されたサンドイッチには、本来の量ではないだろう具がたっぷりとつまっていた。
おばあさんは大きなくりくりとした目を少しだけ細めて、こう言った。

以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/12(火) 20:47:39.94 ID:fz9LGbgw0

『ねえ、お嬢さん。お嬢さんは、どこから来たの』
『ああ…ごめんなさい。とっても綺麗なお洋服を着ているから、つい、気になって』

きっと内心では心配して言ってくださったのでしょう。こんな夜に。
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/12(火) 20:48:23.01 ID:fz9LGbgw0

目を奪われていた事に気付いた。
たくさんの人の前で歌って、人を笑顔にして、人々に支持されて。
自分の存在を…認められて、いたのだから。

以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/12(火) 20:49:01.48 ID:fz9LGbgw0

喫茶店のドアベルが鳴る。お嬢様、お嬢様。そう呼ぶ使用人の声が響く。
帰りましょう、旦那様がお待ちです。旦那様が、旦那様が。
お帰りにならないのであれば、多少強引にでも、と。黒服はそう言った。
その中に新堂は含まれていなかった。当たり前だけれど、少し寂しかった。
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/12(火) 20:49:29.71 ID:fz9LGbgw0

その後の事はよく覚えていないの。
家に帰ったら、今までにないくらい、優しく迎え入れられた。
奥の広間に通じる手前の廊下を通って、自分の部屋に戻るように使用人に促された。

以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/12(火) 20:49:57.16 ID:fz9LGbgw0

ベッドに横になり、今日の事を思い出した。
勝手に社交会を抜けだしたこと、街に出て、たくさんの輝きを知ったこと。
おばあさんと出会って、自分の答えを見つけたこと。
とっても甘酸っぱい、オレンジジュースを飲んだこと。
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/12(火) 20:50:39.96 ID:fz9LGbgw0

アイドルに目を奪われて、羨んで、憧れて。
私はアイドルになって、自分を認めさせることに決めた。

アイドルになるためにはどうすればいいのか。
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/12(火) 20:52:19.87 ID:fz9LGbgw0

まだ、シェフはいるようだった。
食器や調味料、食材のしたごしらえなどをしていたらしい。
私に気付いて、声をかけてきた。

以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/12(火) 20:54:02.84 ID:fz9LGbgw0

私はここまでの事で気付いた。
私の今までの行動も、きちんと相手に素直になれば、気持ちが通じることを。
あれこれアイドルになるために画策していた事が、急に馬鹿らしくなったの。

以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/03/12(火) 20:55:26.92 ID:h0+z+F2to
最初のアイマスが世に出た頃はネットもまだまだ未発達なとこ多かったんだよなあ・・・


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