過去ログ - 美希・雪歩「レディー!」
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100:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 00:39:25.11 ID:7LnCOhGJ0
「―――うふふ、冗談よ」
 そう言って、あずさは手元のコップを戻し、別のコップを手に取った。

「もしかしたら、戻ってきてくれるかも知れないもの。
 勝手に使ったら怒られちゃうわね」
以下略



101:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 00:42:50.68 ID:7LnCOhGJ0
「千早ちゃんは正直ね、でも――」
 あずさは、麦茶を入れたコップを、物憂げな表情をしながら手の中で揺らしていた。
「本音をぶつけないまま付き合うことが、自分や皆のためになるのかしら」
 千早は、再び驚いた顔をしてあずさを見た。

以下略



102:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 00:44:48.90 ID:7LnCOhGJ0
「美希ー、ゲーセン行かないのー?」

 帰りのホームルームが終わっても、美希は自分の席から動こうとしなかった。
 友人が呼びかけても、彼女は片肘を机につき、窓の外をボーッと眺めたままである。

以下略



103:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 00:47:24.86 ID:7LnCOhGJ0
 東急池上線は、ほとんど混雑しない路線だったので好きだった。
 池上駅を降りると、美希は池上通りを東に向かって歩いた後、途中の路地を左に入り、いつもの公園へと向かった。
 天気も良いし、たぶん今日は先生に会えるだろう。

 公園に着くと、美希は途中のファストフード店で買ったフライドポテトをつまみながら、池の周りを鼻歌交じりにブラブラと歩いた。
以下略



104:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 00:50:11.07 ID:7LnCOhGJ0
「先生、ミキね―――何か、やる気無くなっちゃったの」
 カルガモを眺めながら、美希は独り言のようにポツリと呟いた。

「何にも面白くなくて、ワクワクドキドキするものも無くて――つまんない。
 すっごくタイクツなのに、何もやる気しないなーって」
以下略



105:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 00:52:22.48 ID:7LnCOhGJ0
「へぇ、これがカモ先生か」
 橋の下まで近づいてきたカルガモを見ながら、プロデューサーはそう言って美希にお菓子を渡した。
「これが、って言わないの。ミキが小学生の時から、すっごく尊敬してる先生なんだから」
 美希は、乱暴にプロデューサーからお菓子を受け取ると、カルガモに投げた。

以下略



106:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 00:56:37.70 ID:7LnCOhGJ0
「小学生の時からってことは、結構長生きなんだな、カモ先生」
 プロデューサーは、指で年数を数えた。
 仮に小学1年生から今日までとすると、9年か。

「ミキね、知ってるの。カモの寿命は3年か4年くらいなんだよ?」
以下略



107:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 00:59:09.54 ID:7LnCOhGJ0
「先生が子供のときも、きっとそうだったんじゃないかな」
 プロデューサーのその言葉に、美希は一瞬ハッとした。

「カモは一見すると穏やかに浮いているように見えるが、水面下では必死に足を動かしている。
 子供ならなおさらそうだろう―――なんてのは良く言う話だけどさ」
以下略



108:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 01:01:16.83 ID:7LnCOhGJ0
「その子は、お前のことを本気で尊敬している。
 だから、お前がいなくなってしまった今、お前の代わりに自分がならなくてはと考えている」
 美希は、プロデューサーが誰のことを言っているのかを直感的に察した。

「だが、そのために無理をしているのだとしたら――
以下略



109:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 01:03:45.12 ID:7LnCOhGJ0
【6】

 秋も深くなったある朝、貴音が自分のロッカーを開けると、見慣れない服があることに気がついた。
 自分のものではないし、自分が入れた記憶も無い。
 服を手に取り、まじまじと見ながら首を捻っていると、更衣室に誰かが入ってきた。
以下略



110:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 01:06:09.30 ID:7LnCOhGJ0
「ほら、お姫ちんの隣のロッカーって、ミキミキのでしょ?」
 真美は、貴音のそばにあるロッカーを指差した。

「ホントはこの服、ミキミキのロッカーに入れるつもりだったんだ。
 でも、間違えて亜美がお姫ちんの所に入れちゃったみたいで」
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