過去ログ - のあ「……たいせつなものは、目に見えない」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/18(木) 22:31:04.00 ID:Sxr2n2vlo
・アイドルマスター シンデレラガールズの二次創作です。
・ト書き形式ではなく、一般的な小説形式です。人によっては読みにくいかもしれません。
・約3000字、書き溜め済みです。数レスで終わりますので、さっと投下します。

前置きは以上です。お付き合いいただけると嬉しいです。

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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/18(木) 22:33:01.31 ID:Sxr2n2vlo
 ブラインドを下ろした窓に、西日が射し込んでいた。
 隙間から入る橙色の光が、今の時間を告げている。

 事務所の休憩室。
 テーブルに寄せた椅子のひとつに座って、彼女は本を開いていた。
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/18(木) 22:34:28.71 ID:Sxr2n2vlo
「あ……の、のあさん……こ、こん、ばんは」
「……こんばんは、小梅」

 無表情のままの挨拶返しに、一瞬小梅はびくっと肩を震わせたが、
 一応安心したらしく、流し場へ向かうのあの後を追いかけた。
以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/18(木) 22:36:08.20 ID:Sxr2n2vlo
 ――小梅からすれば、彼女は『あまりよく知らない人』だ。
 仕事でもほとんど一緒にならず、遠目に見ることはあっても、なかなか話す機会がなかった。
 同じ事務所に所属するアイドルでも、そういう相手は何人かいる。
 仲良くなりたい、という気持ちも勿論あるが、
 一回り近く年上の人間に対して、いったいどんな話題を振ればいいのか。
以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/18(木) 22:38:00.18 ID:Sxr2n2vlo
「どんな……おはなし、なんですか……?」
「……ほんとうにたいせつなものは何か。……少なくとも私にとっては、そういう意味を持つ本よ」
「……ほんとうにたいせつなものは、なにか」

 のあの言葉を、小梅は噛みしめるように繰り返した。
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/18(木) 22:39:36.01 ID:Sxr2n2vlo
「……じゃ、じゃあ、その……お借り、します」
「ええ。読み終わったら、また言いなさい」

 閉じた本にカバーを付け直し、それを小梅に手渡す。
 いくつかのページには開き癖がついていて、背表紙は微妙に擦り切れた箇所もあった。
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/18(木) 22:41:15.84 ID:Sxr2n2vlo
 かつての高峯のあは、明確な夢を持たなかった。
 星に向かって手を伸ばすことはあっても、自分の、あるいは他人の内に輝きを見出すことはなかったのだ。
 遠いからこそ、眺めるだけで止まる。
 もし、届きそうな場所に星があるのなら――
 掴めるかもしれないと、思えてしまったのなら――
以下略



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