1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/27(土) 19:02:27.81 ID:yvHOVQJVo
過去に咲京スレに載せたのを修正しただけです
すぐ終わります
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/27(土) 19:04:44.04 ID:yvHOVQJVo
十二月半ば
咲「もうすぐ十時になるのに、優希ちゃんも染谷部長もこないね」
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2013/04/27(土) 19:05:39.80 ID:yvHOVQJVo
一瞬の間に思考の摩擦が見て取れたが、結局は言い直さなかった。上目でころころ変わる咲の表情を見つめながら、京太郎はちょっとばかりの優越感を得た。
目のやり場に困った咲は読んでいた小説を栞も挟まず閉じ、コタツへと体を押し込んだ。座布団を枕にすると雀卓へと顔を向ける。
咲「京ちゃん狭い」
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2013/04/27(土) 19:07:02.83 ID:yvHOVQJVo
京太郎「なあ、咲はさ、どんな本読むんだ」
円卓に置かれた某書店のカバーがかけられた小説へ手を伸ばす。一瞬手が止まり咲のほうへ視線を向けるが微動だにしない。実はそれほどこの話題を発展させたかったわけではなく、
あせった咲が自分よりも早く小説をぶんどって顔を真っ赤にして「これは、その、普通の小説だよ」なんて言いながら、両手で背に隠し、
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2013/04/27(土) 19:07:55.04 ID:yvHOVQJVo
咲「それね、最終巻だから読んでてもよくわかんないと思うよ」
京太郎「どんな話?」
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2013/04/27(土) 19:08:45.55 ID:yvHOVQJVo
部室は二人の笑い声が反響した。次第におさまりつつある中、咲と京太郎は視線を交えると先ほどの感情がふっとわき上がり、二人は同時に顔を伏せた。
京太郎「……で、最後は二人はどうなっちゃうんだ?」
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2013/04/27(土) 19:09:29.04 ID:yvHOVQJVo
京太郎「本人でしか味わえないんだからしょうがないだろ。俺は咲ほど読書家じゃないからそこまで作品に感情移入できないだ」
咲「……そうだね」
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2013/04/27(土) 19:10:21.91 ID:yvHOVQJVo
咲は熱を逃がさぬよう、音も立てずそろりとコタツから抜け出した。窓の前に立つと霜がついたガラスを撫でる。不細工なニコニコマークが出来上がった。
咲「京ちゃん」
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/04/27(土) 19:11:33.05 ID:yvHOVQJVo
前半終了
後半に続きます。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/27(土) 19:12:58.70 ID:yvHOVQJVo
宮永咲が高校を卒業し、プロ雀士になってから一年がたった。
夏の大会、東日本選手権で優勝した日の暑い夜。ひとりで祝賀会を抜け、ホテル近くの自然公園をほっつき歩いていた。
ぼけた外灯が洋式でデザインされたベンチを照らす。なかなか不気味な光景にも臆せず、遠慮なしに座った。
携帯電話を開く。たくさんの受信メールと着信。高校の部活仲間、大会で知り合った友達、そして、
11:vipにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/04/27(土) 19:13:38.28 ID:W2NajnO10
ほぅ
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/27(土) 19:14:19.56 ID:yvHOVQJVo
照「お、あれがデネブ? 大三角形完成」
咲「すごい顔の色……。飲みすぎだよ」
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/27(土) 19:15:34.04 ID:yvHOVQJVo
咲「え!?」
照「そう咲が呼ぶから」
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/27(土) 19:16:17.86 ID:yvHOVQJVo
質問の意図が読みとれない。
咲「は?」
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/27(土) 19:16:52.87 ID:yvHOVQJVo
咲「お姉ちゃん、完全に酔っ払ってるよね……」
照「かけてみて」
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/27(土) 19:18:04.90 ID:yvHOVQJVo
・
・
・
咲「なんで京ちゃんが出てくるのっ! なんで京ちゃんの事知ってるのっ!! なんで電話しなくちゃいけないのっ!!!」
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/27(土) 19:18:54.95 ID:yvHOVQJVo
自然と手を握られた。付き合ってたころはたいしたことじゃなかったのに、いざ意識すると気が狂うほど心拍数が跳ね上がった。あの、夏の大会の日の夜、初めて手をつないだときを思い出した。
自然公園を抜け、夜空を塗りつぶさんとする街灯が姿を現し、少し歩いたところで自販機を見つけた。そのとなりにはベンチとゴミ箱。設置した人間のご厚意に沿う形で並んで座った。
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/27(土) 19:19:55.25 ID:yvHOVQJVo
咲「私、」
間。
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/27(土) 19:21:19.10 ID:yvHOVQJVo
すっごいバカなんだと思った。自分も京太郎も。素直になっていれば、こんなことにはならなかったのだ。
京太郎「遅れたけど、おめでとう咲」
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/27(土) 19:23:08.77 ID:yvHOVQJVo
咲「京ちゃんは最近どう?」
京太郎「え?あ、俺?」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/27(土) 19:24:22.70 ID:yvHOVQJVo
京太郎「お前……、変なとこビンカンだな。これだよ」
でてきたのは6センチメートル四方の箱。角は丸く濃紫で光沢がない。
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