136:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/26(日) 07:01:35.31 ID:cYGd8PLko
「何をしてるんだよ、お前は」
「答えて。何が目的なのか。これからどうするつもりなのか」
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2013/05/26(日) 07:02:13.27 ID:cYGd8PLko
やがて、彼はわたしから視線を逸らした。
銃を持っている相手から、視線を逸らすものだろうか、普通。
いや、わたしには、何が普通なのかなんてわからないんだけど。
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2013/05/26(日) 07:03:02.08 ID:cYGd8PLko
「そうかもね」
自分で思ったよりも冷たい声が出て、わたしは少し怖くなった。でも、言葉は自然に続けられた。
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2013/05/26(日) 07:04:09.58 ID:cYGd8PLko
彼の肩からふっと力が抜けたのが分かった。
そして、彼は息を深く吸い込んだ。
「お前がそんなんだから、俺がここにいるんだろうが!」
140:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/26(日) 07:05:29.03 ID:cYGd8PLko
「分かった。シラユキに会わせる」
わたしは拳銃から弾を抜いてテーブルの上に置いた。
何か反応を見せるかと思ったけれど、彼は胸を撫で下ろしただけのようだ。
141:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/26(日) 07:07:01.33 ID:cYGd8PLko
◇
シラユキが書斎に現れるまで、わたしたちの間には会話ひとつなかった。
会話の予兆のようなものすらなかった。ただお互いを、いないものとして扱うように努めた。
142:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/26(日) 07:07:50.44 ID:cYGd8PLko
「それで、この人は……」
食事を終えて、最初に口を開いたのはシラユキだった。
二人分の視線を受けて、男は居心地悪そうにした。
143:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/26(日) 07:08:33.65 ID:cYGd8PLko
「屋敷には隠し通路みたいなものがあるんだって。書斎の暖炉から、そこに入れた」
「そこで、彼と一緒に隠れていたんですか?」
144:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/26(日) 07:10:43.09 ID:cYGd8PLko
シラユキはいくらか考え込んだあと、仕方なさそうに頷いた。
「いいですか?」
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2013/05/26(日) 07:14:11.71 ID:cYGd8PLko
わたしは何も言わずに食堂を抜け出した。
話を盗み聞きしようかとも思ったけど、やめた。
たぶんわたしには、聞いたって理解できない。
146:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/26(日) 07:14:40.74 ID:cYGd8PLko
つづく
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