過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
1- 20
199:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/30(木) 07:23:12.72 ID:IVmmIEuJo

 そう思うと、このタイミングで彼女に言っておかなければならないことが、いくつかあるような気がした。
 
 それがなんなのかは、咄嗟には思い出せなかった。
 というよりわたしは、このところずっと、話すべきことをわざと話さずに過ごしてきたような気がする。
以下略



200:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/30(木) 07:24:00.42 ID:IVmmIEuJo

 彼女は思案深げに眉を寄せながら、取り繕うように微笑んだ。
 まさか、毒をうたがったわけでもないだろうが。
 
「どうでしょう。わたしにはよく分かりません。そういったことに関しては、あなたの方が詳しいはずです」
以下略



201:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/30(木) 07:24:42.15 ID:IVmmIEuJo

 今度は、言葉を探すふうではなく、本当に深く考え込んだように見えた。
 シラユキが押し黙ると、食堂に雨の音だけが響く。降り続く雨。
 この雨だって、いったいいつから降り続いているんだろう?
 
以下略



202:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/30(木) 07:25:09.10 ID:IVmmIEuJo

 わたしが答えられずにいると、シラユキは言葉を重ねた。

「わたしは、その質問に答えることもできます。それは事実です。
 でも、正直いって、あなたがそれを知るべきなのかどうか、わたしにはわかりません。
以下略



203:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/30(木) 07:25:40.02 ID:IVmmIEuJo

「彼が来たから、あなたは今、彼の方に引きずられているんだと思います。
 わたしにとっても、それは別に悪いことではないんです。
 でも、もし、彼に引っ張られていった結果、あなたがもう一度傷ついたとしたら」

以下略



204:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/30(木) 07:26:49.05 ID:IVmmIEuJo

 いまいち要領の得ないシラユキの話は、けれど何か大事なことを示唆している気もした。
 ツキが望んでいること。シラユキが望んでいること。そしてわたしが望んでいること。
 そのどれもが曖昧で、わたしにはよくわからない。

以下略



205:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/30(木) 07:27:28.30 ID:IVmmIEuJo



 ツキはなかなか屋敷に戻ってこなかった。
 
以下略



206:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/30(木) 07:27:55.74 ID:IVmmIEuJo

 そこに現れたのがツキだ。
 
 彼は「取り戻したいものがある」といい、この屋敷で一緒に暮らし始める。
 彼はわたしを「アヤメ」と呼んだ。
以下略



207:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/30(木) 07:28:57.55 ID:IVmmIEuJo

 ペンを机の上に放り投げて頬杖をついた。 
 
 情報の整理は捗らなかった。現に起こったことだけを列挙しても、何もわからない。
 かわりに思ったことがある。
以下略



208:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/30(木) 07:29:37.24 ID:IVmmIEuJo

『その結果、あなたがどちらを選ぼうと、わたしはあなたの判断に従います』

 シラユキはそう言った。"どちら"というのは、何と何のことなのだろう?
 
以下略



633Res/436.26 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice