過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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308:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/06(木) 06:31:50.98 ID:4Z+Lx22no

 世界は世界として独立している。シラユキはそう言った。
 死後の世界というわけでもなく、現実でもない。

 一種の異世界のような場所。わたしの精神を土台に作られた場所。
以下略



309:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/06(木) 06:32:18.41 ID:4Z+Lx22no

 別にかまわないじゃないか。そう思った。ツキが死のうと生きようと関係ない。 
 そう思ったから、わたしはここにいるんじゃないのか?

 ツキが悲しんでも、苦しんでも、関係ない。そう思ったから、わたしは今ここにいるのだ。
以下略



310:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/06(木) 06:32:44.84 ID:4Z+Lx22no

 わたしは無性に叫びだしたいような気持ちになった。
 どうしようもなく、気分が収まらなかった。そう考える自分を抑え込もうとした。

 ベッドを降りて、窓の外を睨んだ。そして思う。
以下略



311:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/06(木) 06:33:27.16 ID:4Z+Lx22no

 そう思うことに、どことなく抵抗もあった。理屈が合わなくなってしまう不安。
 でも、それどころじゃない。彼はこんなところにいてはいけないのだ。

 ツキの両親は、彼が死んだらきっと悲しむ。
以下略



312:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/06(木) 06:34:16.58 ID:4Z+Lx22no

「シラユキ」

 呼びかけると、彼女は意外そうに顔をあげた。

以下略



313:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/06(木) 06:35:20.63 ID:4Z+Lx22no

「分かったって、どうしたんです?」

「ツキを現実に送り返す。彼に死なれるのは困るから」

以下略



314:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/06(木) 06:35:55.25 ID:4Z+Lx22no



 わたしは部屋に戻り、動きやすい服に着替えた。
 それから何か武器になるようなものを探した。
以下略



315:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/06(木) 06:36:39.14 ID:4Z+Lx22no

 彼らはツキを見つければ、すぐに捕縛し、殺害しようとする。
 里にやってきた熊を撃ち殺すみたいに。

 そして、仮にわたしがこの世界から逃げようとすれば、わたしを捕らえようとする。
以下略



316:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/06(木) 06:37:34.43 ID:4Z+Lx22no

 なんとか気持ちを落ち着かせなくては、とわたしは思った。

 それから軽く食事をとった。
 シラユキはなんとも言えないような表情でわたしを見た。
以下略



317:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/06(木) 06:38:01.30 ID:4Z+Lx22no


 ドアを叩く音。シラユキが扉を開けた。

 客人が何かを言うよりも先に、彼女が声を掛けた。
以下略



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