過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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579:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/23(日) 03:31:16.66 ID:seth9kfao

「雨が降っている間、ツキはわたしと一緒にいてくれた。
 わたしはツキの家で過ごすことができた。シラユキの背中を撫でていることができた。
 その時間が好きだった。一緒にいてくれて、嬉しかった」

以下略



580:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/23(日) 03:31:58.48 ID:seth9kfao

「アヤメ」

 彼はもういちど、わたしの名前を呼んだ。それきり、しばらく黙り込んでしまった。
 何度も苦しそうな顔をした。後悔しているようにも見えたし、何かを言いあぐねているようにも見えた。
以下略



581:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/23(日) 03:33:26.07 ID:seth9kfao

「たぶん俺も、もっとお前にいろんなことを言うべきだったし、いろんな態度を示すべきだったんだろうと思う。
 でもそれは手遅れじゃないって思うんだよ。お前がもう一度、俺のところに来てくれさえすれば……」

 それから彼は思い直すように頭を振った。わたしは悲しい気持ちになった。
以下略



582:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/23(日) 03:35:11.63 ID:seth9kfao



 そのようにして、ツキは向こう側へと去っていった。
 後にはシラユキとわたしが残された。
以下略



583:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/23(日) 03:35:43.52 ID:seth9kfao
つづく


584:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/23(日) 10:10:19.43 ID:5eHk7y3io
さてどうする


585:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/24(月) 03:52:02.76 ID:k0zfLIWso



 シラユキは何も言わなかった。

以下略



586:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/24(月) 03:53:48.28 ID:k0zfLIWso

 でも、混乱していたからってそのときに下した判断が間違いだったということにはならない。
 冷静な視点で考え直してみても、やっぱり耐え難い状況だったのかもしれない。

 何より確かめるのが面倒だった。
以下略



587:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/24(月) 03:54:56.84 ID:k0zfLIWso

 面倒だ面倒だって言っていたって仕方ないじゃないか、とわたしの中のわたしが言う。
 
 とにかく冷静になってみよう、とわたしの中のわたしはわたしを説得した。
 わたしに、ここを出るだけの理由があるのだろうか?
以下略



588:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/24(月) 03:55:55.11 ID:k0zfLIWso

 ツキのため?
 でも、どうだろう。ツキだってずっとわたしのことを覚えているわけではないはずだ。
 いつかは忘れてしまう。それに、忘れなかったとしても、ツキだっていつか死んでしまうのだ。

以下略



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