過去ログ - 【マジェプリ】もしもイズルが一週間いなかったら
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547: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2013/07/05(金) 00:40:18.24 ID:l6PNrR0W0
私の答えに大尉は身体を震わせた。
クスクスと抑え目に笑う声がして、私は音の元を知る。
夢を笑われているということに気付き、私は怒りの声を上げようとした。
しかし、その前に大尉が振り返る。
その顔には、笑みなどなく。ただ、私を慈しむような瞳で見ていた。
以下略



548: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2013/07/05(金) 00:41:06.42 ID:l6PNrR0W0
『大尉も、ですか?』

彼は黙って横顔を見せると、深々と頷いた。
その瞳はまるで深海のように静かで、落ち着いていて――少しだけ、目を奪われた。
彼はそのまま、その唇を動かす。
以下略



549: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2013/07/05(金) 00:43:02.16 ID:l6PNrR0W0
『……ホントのこと言うとな』

突然の大尉の声に、私の注意がそちらに向く。
大尉は、やはり前を向いていた。

以下略



550: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2013/07/05(金) 00:43:50.37 ID:l6PNrR0W0
呆れ気味に私は大尉の夢を笑った。
あまりにも呑気で、平和で、それで…楽しそうだったから。
私の言葉に、大尉は私の方を見て、悪戯っぽく唇を歪めた。

『キライか?』
以下略



551: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2013/07/05(金) 00:45:51.54 ID:l6PNrR0W0





以下略



552: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2013/07/05(金) 00:47:01.27 ID:l6PNrR0W0
結局、私は『あの人』の死に様は知らない。
あの作戦の日、激戦の末、気付けば病院の一室にいたのだ。

きっと、彼らしく諦めずに戦い続けたんだろう、というのは予想できる。
それは知っていた。彼の機体の破片が見つかったとき、その後ろに部下の機体の残骸が漂っていたと聞いていたから。
以下略



553: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2013/07/05(金) 00:48:13.84 ID:l6PNrR0W0
「あれ。教官?」

はっ、と。
私の意識が虚空から蘇る。
ふとした声に――聞き覚えのある少年の声に、私はすっかり耳を傾けていた。
以下略



554: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2013/07/05(金) 00:49:16.60 ID:l6PNrR0W0
「それは…」

「やっぱり、怖かったん、でしょうね」

唇を苦笑の形に変えて、イズルは自分の手のひらを眺めた。
以下略



555: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2013/07/05(金) 00:50:15.76 ID:l6PNrR0W0
「あの、教官」

「……何かしら?」

私の思考に割り込むように、イズルの声がした。
以下略



556: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2013/07/05(金) 00:52:26.84 ID:l6PNrR0W0
「今回のこと、その、ご心配をおかけしたそうで」

「……それは違うわ。謝るべきは、私よ」

冷めた声色で、私はそう返し、一度黙る。
以下略



557: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2013/07/05(金) 00:55:30.76 ID:l6PNrR0W0
…そうじゃない、と私はその言葉に声を荒げてしまいそうになる。
私は軍人としての最高の一択を理解している。
なのに、それを否定したがっている。教師としての、私が。
それでは、その選択では――

以下略



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