過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part3
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563: ◆kaGYBvZifE[sage saga]
2013/07/07(日) 21:41:46.53 ID:0KKU5keR0
黒川さん投下


564: ◆kaGYBvZifE[sage saga]
2013/07/07(日) 21:42:34.13 ID:0KKU5keR0
――――――――――

黒川千秋という人物を語る言葉はいくつか挙げることができるが、そのいずれが彼女を最もよく
表しているかは、実際に会ってみてその印象から推し量るほかないだろう。

以下略



565: ◆kaGYBvZifE[saga]
2013/07/07(日) 21:43:12.75 ID:0KKU5keR0
その時だった。

幼い頃に聴いた覚えのある優しいメロディが、震える千秋の耳朶に触れた。
そして――どこかから、歌声が聴こえた。

以下略



566: ◆kaGYBvZifE[saga]
2013/07/07(日) 21:44:11.07 ID:0KKU5keR0
それから数ヶ月が経過し、世界が様々な変化に晒される中、千秋の生活も大きく変わっていった。
とある芸能事務所から歌手としてデビューすることになったのである。

あの日以来、彼女はレッスンの傍らあちこちを駆けまわって『歌姫』のことを調べていたが、結局
有力な手掛かりは何一つ得られなかった。
以下略



567: ◆kaGYBvZifE[saga]
2013/07/07(日) 21:45:14.49 ID:0KKU5keR0
――――――――――

プロデビューが決まったとはいえ、新人の千秋にはまだまだ仕事が少ない。

多くの時間をレッスンやレコーディングに費やしながら事務所の雑用や先輩歌手の付き人をしたり、
以下略



568: ◆kaGYBvZifE[saga]
2013/07/07(日) 21:46:18.50 ID:0KKU5keR0
千秋の出番が終わってしばらく経ったとき、一人の男が彼女を訪ねてきた。

背の高い痩身に仕立てのいいスーツを着込み目元をサングラスで隠した男は、どこか飄々とした態度で
「実は私、貴女のファンでして」と言い、口元をにたりと歪めた。

以下略



569: ◆kaGYBvZifE[saga]
2013/07/07(日) 21:47:24.84 ID:0KKU5keR0
「所詮は無責任なメディアのつけた呼び名にすぎません。あの女は史上最低の出来損ないです。
 多少運がいいというだけであんなに持て囃されているんですから、世の中不公平ですよねぇ?」

「……あなた、『歌姫』の何を知ってるの」

以下略



570: ◆kaGYBvZifE[saga]
2013/07/07(日) 21:49:01.86 ID:0KKU5keR0
「ああ、なんたる悲劇でしょうか! 貴女のような素晴らしい歌手がひと山いくらの前座止まり。
 それに引き換え、ただ能力を持って生まれたというだけの女が、カースを浄化する謎に満ちた歌姫ときた!
 こいつは実に悲しく、滑稽で、腹立たしい……」

芝居がかった男の言葉は次第に熱を帯びていく。
以下略



571: ◆kaGYBvZifE[saga]
2013/07/07(日) 21:49:42.89 ID:0KKU5keR0
「クッククク……ヒャーッハッハッハ!! 可哀想だねぇ、千秋ちゃんよぉ!
 気分はどうだい? 悔しいか? 妬ましいか? 腹立たしいかぁ?」

へたり込んだ千秋には、もう男の嘲笑さえ聞こえていなかった。
ただ、空っぽになった頭が、自分の内側からじわじわと湧き上がってくる何かを感じ取っていた。
以下略



572: ◆kaGYBvZifE[saga]
2013/07/07(日) 21:50:17.06 ID:0KKU5keR0
――――――――――

使った試しのない脳の領域が蠢き、熱を帯びるのを感じながら、千秋はゆっくりとステージに立った。

視線は虚空を見据え、闇の色をした瞳は、深く、昏い。
以下略



573: ◆kaGYBvZifE[sage saga]
2013/07/07(日) 21:53:30.48 ID:0KKU5keR0
黒川千秋
20歳
大学生
『嫉妬』のカースドヒューマン。歌の道で頂点を極めたい新人歌手。
レヴィアタンと取引をした憤怒Pことティアマットによってカースの核を埋め込まれた。
以下略



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