過去ログ - 幸子「優しい優しい、プロデューサーさん」
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302: ◆S.3OfNv5Fw[saga]
2013/08/08(木) 00:56:06.94 ID:TGh4K5Fj0

何とか意識を取り戻し、料理を作った。
手っ取り早く作れる物をあるだけ作り、テーブルに乗せた。
そして、小さなちゃぶ台を二人で囲みながら、私の作った料理を食べた。
味はわからなかった。ただ黙々と、無意味に咀嚼を多めに取り、私は料理を胃に押し込んだ。
以下略



303: ◆S.3OfNv5Fw[saga]
2013/08/08(木) 00:57:19.44 ID:TGh4K5Fj0


「な、何だ幸子」

「い、いえ……――さんから、どうぞ」
以下略



304: ◆S.3OfNv5Fw[saga]
2013/08/08(木) 00:58:52.77 ID:TGh4K5Fj0


幸子はいそいそと立ち上がり、扉を開けて洗面所に向かった。
私はたった一つしかない部屋に取り残された。
テレビでは、いつの間にかニュースが流れていた。重苦しい口調で、キャスターが何かを述べている。
以下略



305: ◆S.3OfNv5Fw[saga]
2013/08/08(木) 00:59:24.96 ID:TGh4K5Fj0


「……まさか、こんな物を買うとは……」


以下略



306: ◆S.3OfNv5Fw[saga]
2013/08/08(木) 01:00:59.81 ID:TGh4K5Fj0

画面の向こうの彼女は、楽しそうに目を細め、得意顔で、イキイキと動いている。
アイドル然とした彼女がそこにはいた。
誰もがこの彼女を見て、彼女はどういう性格なのかと決めつけるのだろう。
いや、ライブだろうが、握手会だろうが、彼女の表面しか他人は見れない。
以下略



307: ◆S.3OfNv5Fw[saga]
2013/08/08(木) 01:02:34.39 ID:TGh4K5Fj0

今になって思えば、どうして彼女を先に風呂に入らせたのだろうか。
私が普段使っている洗剤とは違う匂い、彼女が持参したシャンプーの匂いが風呂場に充満していた。
湿り、生温かい空気を孕んだ風呂場を前に、私は自分の浅はかさを悔いた。

以下略



308: ◆S.3OfNv5Fw[saga]
2013/08/08(木) 01:04:24.31 ID:TGh4K5Fj0
だが、私の決意など、何の意味を持たなかった。


「……おーい、あがったぞ幸子――」

以下略



309: ◆S.3OfNv5Fw[saga]
2013/08/08(木) 01:07:49.26 ID:TGh4K5Fj0


私は低く押し殺したような声で問い詰めた。
彼女はそれに気圧される後ずさりしたが、胸に手を当て、顔を赤らめながら目をぎゅっと瞑り、静かに頷いた。

以下略



310: ◆S.3OfNv5Fw[saga]
2013/08/08(木) 01:12:19.64 ID:TGh4K5Fj0


「あ、あの――」

「……ごめん、幸子」
以下略



311: ◆S.3OfNv5Fw[saga]
2013/08/08(木) 01:14:10.00 ID:TGh4K5Fj0


「す、すまん。すまん幸子、私……私は……」


以下略



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