過去ログ - ゲームは一日一時間
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59: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:48:06.32 ID:EnRHzSex0

ある日、僕はそろそろ先生に借りを返そうと思った。

二年の後期中間テストで、かなりの成績を修めたのだ。
両親は大喜びし、僕に、いくらかのお小遣いをくれた。
以下略



60: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:48:32.49 ID:EnRHzSex0

「いい生徒を持って、あたしは嬉しい。感涙だ。最高」

一食奢っただけで、僕のイメージはかなり変わったようだ。
パスタをくるくると巻きながら、淑やかに口に運んでいる。
以下略



61: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:49:02.64 ID:EnRHzSex0

なんだって?

二人目。ということは、もう一人も同様の質問をしたということだ。
この世界のシステムに気付いているものなど、そうは居ないはずだ。
以下略



62: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:49:45.57 ID:EnRHzSex0

家に帰ったら、母が熱を出していることに気がついた。

過労なのだろうか。毎日忙しそうであるから、そうなのだろう。
僕にできることと言えば、薬局に走り、母を看病するくらいだ。
以下略



63: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:50:32.72 ID:EnRHzSex0

「ああ。お帰り、お父さん。お疲れ様。お父さん、大丈夫?」

「大丈夫だ。少し、身体がだるくてな。熱でも、あるのかな」

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64: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:51:03.22 ID:EnRHzSex0

「お前が、大学入学するまでは、死ねないから、安心しろ」

父は、母の気弱な言葉に対し、そうフォローしていた。
珍しく堅実な父が豪快に笑い、僕まで笑ってしまった。
以下略



65: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:52:03.35 ID:EnRHzSex0

そんな生活を続けて三週間程経ったある日、彼女が家へやってきた。

しばらく学校に出ない僕を心配していたのよ、と彼女は言った。
「これ、ご両親に」と、彼女はゼリーなどを買ってきてくれた。
以下略



66: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:52:38.71 ID:EnRHzSex0

それから数日。両親はもう、意識も定かではなかった。

食事を口に運んでも、結局はもどしてしまうのだ。
入院を勧めたが、頑なに拒むので、できなかった。
以下略



67: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:53:11.74 ID:EnRHzSex0

そうだ。僕は、どうして、こんな簡単な事に気が付かなかった?

あの日から、時間の概念だけが変わった世界が創造された。
そして、神様からのメールの内容だ。「平均寿命は?」だ。
以下略



68: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:53:40.65 ID:EnRHzSex0

あの日から換算して、両親は、十二月前には死に至ることになる。

彼女と僕は、僕の方が早生まれだが、卒業式前日に死に至る。
電話口から「どうした。返事しろよ」と先生の声が聞こえる。
以下略



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