38: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/01(木) 15:09:01.72 ID:3Q9jeZWOo
今回の更新はこれで終了です。
とりあえず忙しい時期は通り過ぎましたので、これからは前書きの通り週1-2のペースを維持したいと思います。
読んで下さりありがとうございました。
39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/01(木) 15:15:16.93 ID:5lkdHxOFo
乙乙
40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/02(金) 10:11:31.78 ID:7hBmC13Go
おつおつ
この語り手、なんとなくPっぽくない
41: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/05(月) 01:20:28.17 ID:Fg9GCM/jo
『はっ、はっ、はっ……っ』
私は急いでいた。理由は明確にして単純である。時間が押しているからだ。
予定では、今日は二時間ほどの残業で済むはずが、仕事が少し立て込んだせいもあって残業が四時間に延びてしまった。
42: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/05(月) 01:21:03.37 ID:Fg9GCM/jo
『……運動、しとくべきっ、だったかな』
ただの小走りでも、体に乳酸がたまってきているのがわかる。本格的にジムへ通うことを検討するべきかもしれない。そんなことを考えているうちに、あのバーの看板が見えてくる。
私は少し息を整えると、邪魔をしないようにゆっくりと扉を開ける。その向こう側には、夜の時には閉められている防音扉があるはずだったが――それは既に、開いていた。
43: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/05(月) 01:21:32.52 ID:Fg9GCM/jo
ライブが終わった後、マスターが掛けただろう、ゆったりとした悲壮感漂うクラシックが、なんとなく私の心を表しているように感じる。
『はは、少し残業が長引きまして……。楽しみにしていたのですが、残念です』
私は苦笑しつつ、愛想笑いを浮かべて、ちょうど空いていたカウンター席に着いた。あまり酒は嗜まないが、今日は少しだけ飲もう。そう思い、ブランデーを注文する。
44: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/05(月) 01:21:59.37 ID:Fg9GCM/jo
『ところでマスター、”変わり種”というのは、どちらの方だったので?』
私は、気になっていたことを聞いた。マスターはカウンターの向こう側に戻ると、ちょうどステージの傍にいる集団を見た。
「ああ、そこにいるよ」
45: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/05(月) 01:22:29.21 ID:Fg9GCM/jo
『あの、黒髪の女性ですか』
「おっ、良くわかったね。もおやおや、しかして、タイプの子だったかな?」
『はは、御冗談を……。楽器を持ってらっしゃらなかったので、少し気になっただけですよ』
46: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/05(月) 01:22:55.24 ID:Fg9GCM/jo
「隣、空いているかしら?」
そう、声を掛けられた。私は特に気を払うこともなく、書類の枚数を確認しながら、
『ええ、どうぞ』
47: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/05(月) 01:23:21.51 ID:Fg9GCM/jo
「……どうかしたかしら?」
『……え、あ、ああ。いえ、これまたお美しい方が、お隣に座られたのだ、と思いまして』
私はとっさに、そんなお世辞を並べる。いや、生憎お世辞と言うわけではなく、実際の所本心ではあったが、あくまで平静を装ってのことだ。
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