76: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/15(木) 06:51:10.32 ID:06zt3LxLo
『ああ、すみません。では、ご案内させていただきます』
「うむ、済まんね」
そんな会話を一つ、二つとかわし、私はシンデレラガールズの社長を、うちの社長室へと案内する。こん、こんと二度ノックを鳴らし、私は中にいるだろう社長へと言葉を投げかけた。
77: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/15(木) 06:51:36.86 ID:06zt3LxLo
私は社長に言われた通り、お茶を出すために社長室より退出する。そして、給湯室へ向かい、茶葉を茶瓶に入れると、ポットからお湯を注ぎ、少し待った。
そうして、二分か三分ほど経ってから、それを二度、茶碗へ移した。それから、茶請けのお菓子を添えてお盆に乗せ、社長室へと向かう。もう慣れた作業だ。
『失礼します』
78: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/15(木) 06:52:05.93 ID:06zt3LxLo
「ああ、Pくん、だったか。ちょっと残ってくれるかね」
そんな私を、呼び止める声が上がる。思わず、少し身を震わせると、私はゆっくりと振り返る。
完全に目が合った。嫌な合い方だ、漫画や小説の世界なら、確実にこの後嫌な展開が待っている。そう思いながら、私は目が合った相手――シンデレラガールズの社長へ向けて、言葉を紡ぐ。
79: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/15(木) 06:52:41.95 ID:06zt3LxLo
「なに、こちらも移籍の申し出ですよ、社長さん。そちらのPくんを、うちへ迎えたい、と思いまして」
からん。私の落としたお盆が、床に当たって立てる音が響く。
私はきっと、どこか遠くの世界の映像を見ているのだ――。
80: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/15(木) 06:54:21.12 ID:06zt3LxLo
今回の更新は以上です。
少々短いのはまだ体調がすぐれないからですね、すみません。
また数日のうちに投下の方をさせていただきたく思います。
81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/15(木) 11:35:02.78 ID:65nGE+LXo
乙
無理しなくていいのよ
82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/15(木) 12:18:01.78 ID:IFNyisaVP
面白いよ
83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/15(木) 13:29:33.05 ID:5+iNWHTjo
乙乙
ひょっとして世界観繋がってる?
面白いよ、無理はしないでね
84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/16(金) 21:13:57.83 ID:X8SZ+SZ0o
おつ
85: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/17(土) 05:37:31.30 ID:4Y+/Hkh9o
「それでは、ひとまず私は帰らせていただこうかな、と。次の予定もあることです。それと、いきなりやってきてこのような突然のお話、申し訳ありませんな」
「いえいえ、本人の意思を尊重していただき、感謝いたしますよ。正直、我がプロダクション程度のレベルでは、買収されても文句は言えませんからな」
時間にして、僅か三十分ほどのことだった。三時過ぎに事務所へ戻ってきて、今の時刻はまだ三時半である。
86: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/17(土) 05:37:58.08 ID:4Y+/Hkh9o
「とりあえず、Pくん。良い返事を期待しているが、君の意思を尊重したい。ゆっくり考えてくれ」
そんな、”ど”がつくほどネガティヴな考えをしているなど、きっと目の前の男性は分からないだろうな、などと私は考えていた。
『え、あ、はい。分かりました……。いつまでに、お返事をすればよろしいので?』
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