過去ログ - 八幡「だから…………さよならだ、由比ヶ浜結衣」
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483: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 21:59:30.00 ID:3xKNrynr0

しばらく二人とも黙ったままで中を進んでいると、後ろからまたぽそっと声がかかったので俺は少し歩を緩める。

「さっきの話の続きなんだけど……」

以下略



484: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 22:03:00.99 ID:3xKNrynr0
由比ヶ浜は少し肩をすくめてそうつぶやいた。その言葉は褒めているわけでも貶しているわけでもなく、ただ俺の有り様

について素直に感じたことを口にしただけのことだったのだと思う。でも、そのことが俺にとっては何故かとても嬉しく

感じられた。俺の表情が緩んだのを見て、由比ヶ浜はふふっと笑った。そして、こう言う。
以下略



485: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 22:05:36.19 ID:3xKNrynr0
結衣は驚きながら照れるという器用なことをした。まぁそういう色々な表情を見たいから呼んでみたのも否定できないが。

しかし何もそこまで驚かなくても…………。俺の顔が少し曇ったのを見てすかさずフォローに入る。

「あ、いや、ごめん……少し驚いただけだし……うん…………ありがと」
以下略



486: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 22:08:03.38 ID:3xKNrynr0
呼び方談義が終了したところで、また二人で手を繋いで歩き出す。しばらくして、目的のアトラクションの入口が見えて

きて結衣のテンションも上がってきた。最後の方はほぼ走るようにして辿り着くと、もう結構な人の行列ができていた。

「人気アトラクションは開園直後でもこんななのか……」
以下略



487: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 22:10:25.09 ID:3xKNrynr0
まさかこんな列に並んでいる最中にのろけ話を要求されるとは思っていなかったので、俺は思わず彼女の顔を見る。俺の

反応を見て自分の言ったことの意味を自覚したのかポッと赤くなった。いや…………言いだしっぺに照れられても困るん

ですけど…………。
以下略



488: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 22:13:19.11 ID:3xKNrynr0
それからまた十数分が過ぎ、ようやくアトラクションに乗る場所に到達した。営業スマイルなんて月並みな表現をはるか

に超越したキャストの笑顔に戦慄を覚えつつ、案内に従って俺たちはライドに乗り込む。このライドにはレールも車輪も

見えないのだが、調べてみるとどうやら電磁誘導で決められたコースを動かしているらしい。夢を売るのにもまた技術は
以下略



489: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 22:16:34.20 ID:3xKNrynr0
待ち時間で結構時間を使ってしまったので、今からガイドツアーのスタート地点に戻るにはちょうどいい頃合いになって

いた。そのため、他のアトラクションには乗らずに再び歩き出す。しばらくすると、結衣がさっきの話を蒸し返してくる。

「ヒッキー……それで……さっきの話の……答えは?」
以下略



490: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 22:19:16.96 ID:3xKNrynr0
結衣はまだ何やら納得できていないような表情をする。というか、俺の言いたいことがイマイチ伝わってないような感じ。

俺はもっとわかりやすく説明するために、ある例を挙げることにする。

「まだお前が奉仕部に入って間もない時に、三浦や葉山とテニス勝負になったことがあっただろ?」
以下略



491: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 22:22:11.37 ID:3xKNrynr0
結衣は基本的には”みんな”とうまくやっていける人間で、彼女自身が大切だと思える人の数もまた多い筈だ。だからこそ、

人から嫌われる恐怖は増すし、そう考えて身動きが取れなくなることだってあるだろう。現にそういう状況になっていた

奴を俺は見ていたわけで。そういう、誰とでも仲良くできる人間が恋人として俺のような人間を選んだ。その選択の意味
以下略



492: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 22:26:08.54 ID:3xKNrynr0
「そういうお前はどうなんだよ…………一体俺の……どこが、その……好きに……」

「カッコ悪いところ」

自分から先に訊いてきた手前、その返答はもう準備してあったようで満面の笑みで彼女はそう言った。なんだその答えは
以下略



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