2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/01(木) 23:07:53.92 ID:a9tfMA/V0
  星を見に行くことになった日。 
  レッスンを終えたアナスタシアを拾って目的地へと向かった。  
  万が一事故を起こしても怪我が少ないようにと、いつも後部座席に座らせている。 
  バックミラーに映るアナスタシアは居心地悪そうに車に揺られていた。 
 「………それなりにかかるから、横になっていていいぞ」 
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/01(木) 23:08:26.95 ID:a9tfMA/V0
  助手席に乗ってきたアナスタシアに飴の袋を差し出した。 
 「Конфета………飴、ですか?」 
 「運転席と助手席は空調が直当たりするからな。喉のためにも舐めておいた方がいい」 
 「ダー………ありがとうございます」 
  小袋を一つつまんで、彼女は飴玉を口に放り込み、ころころと舐め始めた。 
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/01(木) 23:08:58.49 ID:a9tfMA/V0
 「わぁ……………!」 
  目的地である山の頂上付近の広場に着くなり、アナスタシアは我先にと車を降り、目を輝かせた。 
 「プロデューサー、Звезда…………星です!」   
 「そうだな」 
 「とても………とても綺麗です………!」 
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/01(木) 23:09:25.54 ID:a9tfMA/V0
  あの天体観測からしばらくして、ついにアナスタシアはデビューした。 
  日本ではあまり見受けられないそのビジュアルは人々を魅了し、謙虚ともいえる姿勢が反感を生むことなくアナスタシアというアイドルを世間に広めた。広めたはずなのだが………。 
 「プロデューサー、星を見に行きたいです」 
  謙虚な姿勢はいづこへ、あの天体観測以来、アナスタシアはひどく甘えん坊になった。 
 「この前行ったばかりじゃないか………」 
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/01(木) 23:09:52.95 ID:a9tfMA/V0
  目的地へ向かう車中では、以前のように居心地の悪い沈黙が生まれることがなくなった。  
 「今日、幼少組に無表情で怖いって責め立てられたんだが………」 
 「ダー………プロデューサー、滅多に表情が変わりませんもんね」 
 「これでも笑顔を作る練習はしているんだが………」 
 「そうなんですか? なら今やってみてください」 
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/01(木) 23:10:19.50 ID:a9tfMA/V0
 「………お?」 
  目的地へと続くとされる道には、草木が生い茂っていた。 
 「………しまったな。カーナビが古いんだった」 
  昔は車も通れたのだろうが、今はそうはいかなくなっているようだ。 
 「アナスタシア、歩け………」 
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/01(木) 23:10:22.84 ID:3/iEVMIvo
 あ 
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/01(木) 23:10:33.99 ID:a9tfMA/V0
 「………重く、ないですか?」 
 「まったく。むしろ軽すぎて驚くくらいだ。ちゃんと飯は食べれているか?」 
 「ダー。寮のご飯美味しいです。お菓子がよく出るのが玉に瑕ですけど………」 
 「………女の子的には嬉しいことではないのか?」 
 「その………体重が………」 
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/01(木) 23:11:03.56 ID:a9tfMA/V0
  目的地に着いたはいいが、 
 「しまったな………」 
 「今日はНеудача………失敗が多いですね。もしかして、お疲れですか?」 
 「いや、そんなことはないと思うが………」 
  言いながら荷物を確認する。 
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/01(木) 23:11:29.87 ID:a9tfMA/V0
 「………寝心地は悪くないか?」 
 「………大丈夫です」 
 「………固くないか?」 
 「………ちょうどいいです」 
 「………そうか」 
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