31: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/20(火) 21:25:56.68 ID:A3JfcJLv0
だが、蹴りは寸ででかわされ、空を切る。
蹴りの余波はビルの壁に一筋の傷をつけた。
「私に傷をつけるって、あなたって案外強いのね?」
32: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/20(火) 21:27:49.43 ID:A3JfcJLv0
「あはは。あなたってとっても無骨で乱暴ね。でも――――」
その言葉をかき消したのは、青年の拳から伸びた一本の棘だった。
33: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/20(火) 21:31:23.92 ID:A3JfcJLv0
彼女の左手が不気味に動く。
それは鎌首をもたげた蛇に似た物々しく、恐ろしい気配をはらんでいた。
「これは私からのプレゼント。あなたならとっても喜んでくれると思うの」
34: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/20(火) 21:33:18.15 ID:A3JfcJLv0
彼女の左手が蠢く。
そして青年の内臓の一つを掴んだ。
「見つけた」
35: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/20(火) 21:41:09.87 ID:A3JfcJLv0
「痛いでしょ。でも大丈夫。すぐに楽になれるわ」
彼女の屈託の無い笑顔が見えた。
無邪気で、心底楽しそうな。少女の様な笑顔が。
36: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/20(火) 21:42:32.58 ID:A3JfcJLv0
魂の燃料は感情だ。
今、彼が再び蘇らせた戦意と名も分からぬ熱い感情はその材料としては十分過ぎる代物だった。
ひび割れた魂に大量の燃料が注がれる。
煮えたぎったそれが魂を大きく揺さぶる。
壊れかけの魂が再び、音をたて、動きだす。
37: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/20(火) 21:43:35.48 ID:A3JfcJLv0
「俺の大事な所を貫いたんだ。責任とってくれるよな?」
黒い翼がばさりと音を立て震えた。
それは翼が震えた訳ではない。
38: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/20(火) 21:47:16.61 ID:A3JfcJLv0
瓦礫の中から、彼女は現れる。
その体は傷だらけで、血も出ている。
だが、彼女の表情は満面の笑みで、今もなお恐怖は感じていない。
「ええ。私はあなたを楽しませてあげる。絶対に飽きさせたりなんてしないわ」
39: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/20(火) 21:48:08.44 ID:A3JfcJLv0
青年「……」
眼鏡「動かない方がいい」
青年「大丈……夫?」ドサッ
40: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/20(火) 21:48:52.30 ID:A3JfcJLv0
中途半端ですが今回はここまでです。
41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/21(水) 09:39:46.10 ID:9F7L1c4mo
乙乙
続き待ってるで〜
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