過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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2013/08/31(土) 20:33:20.74 ID:V5jBt9NRo
◇
編入生が部誌のバックナンバーに目を通し始めたのを確認してから、俺はノートを開いた。
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2013/08/31(土) 20:33:48.77 ID:V5jBt9NRo
◇
さっそく彼女の部屋の電話を鳴らしてみた。
「彼女」は電話に出るだろうか? ……出るだろう。
以下略
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2013/08/31(土) 20:34:38.98 ID:V5jBt9NRo
彼女は暇つぶしがてら、自分がいったい何を頼んだのかを思い出そうとする。
でも一向に思い出せない。結局思い出すのをあきらめて、コーヒーでも入れてぼんやりと荷物が来るのを待つ。
……。
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2013/08/31(土) 20:35:19.54 ID:V5jBt9NRo
「……」
見れば、シィタ派も、眠っていたはずの部長も、驚いた顔で後輩の様子を見ていた。
視線に怖気づくこともなく、後輩はノートに目を通し続ける。
以下略
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2013/08/31(土) 20:35:46.17 ID:V5jBt9NRo
冷え切った声だ。彼女の声じゃないみたいだった。
まるでもっと他の何かが彼女の身体を乗っ取って、彼女の口を借りて喋っているような感じがした。
もちろんそんなわけはなく、たしかに彼女が喋っているはずなんだけれど、そういうふうに感じた。
以下略
187
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2013/08/31(土) 20:36:19.01 ID:V5jBt9NRo
◇
結局その日は、馬鹿らしくなって続きを書くのはやめてしまった。
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2013/08/31(土) 20:36:51.78 ID:V5jBt9NRo
◇
屋上に吹く風はいつもより冷たかった。
曇っているから、それも当たり前の話だ。
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2013/08/31(土) 20:37:21.27 ID:V5jBt9NRo
前にもこんなことがあった。
何度もこんなことを繰り返した。
同じことをずっと繰り返している。
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2013/08/31(土) 20:38:09.31 ID:V5jBt9NRo
「最近はわたしもつらい」
彼女は何も訊かずにそんなことを言った。
こちらも何かを訊かれたい気分じゃなかったので、すごく助かる。
以下略
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2013/08/31(土) 20:39:01.64 ID:V5jBt9NRo
結局さ、堂々巡りなんだよね、と彼女は言った。
「つらいなあって思う。ちょっといいことがある。またつらくなる。その繰り返し。
次にいいことがあるとは限らないでしょ。ずっと悪いことばっかりかもしれない。
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