4:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/21(土) 01:55:56.22 ID:8ucU1b060
「さあどうする、ショウテンガイ」
「こうなったら仕方がない。そこの君、力を貸してくれ」
ステージ上で腑抜けていた俺はぼんやりと、まだ増やすのか、なんて思っていた。でも仕方がないなら仕方がない。
5:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/21(土) 01:57:28.89 ID:8ucU1b060
「すごくいい演技だったよ、ありがとうお兄さん!」
「いやいやこっちこそ。助けてくれてありがとう」
本心である。実際の話あの場に光がいなかったらどうなっていたことか、考えるだに恐ろしい。
6:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/21(土) 01:58:20.94 ID:8ucU1b060
「なんですぐに連れてきて下さらなかったんですか!?」
インフォメーションセンターで待っていたのは迷子少年の母親による、のっけから喧嘩腰の、丁寧ながらも苛烈でヒステリックな問いかけであった。
激情によって破砕された母親の話を総合するに、どうも彼女が3階で婦人服を閲していたところつい夢中になってしまい、子供への注意が削がれたらしい。好奇心旺盛、何よりも退屈を嫌う年頃の男の子にありがちなことで、少年は広い店内を散策しだすとエスカレーターに乗り込み、ついには迷子となってしまったわけである。
つまりはまったくの不幸なめぐり合わせということで、一般的には主に子育てと縁遠い他人による「子供から目を離した母親が悪い」、そして主に経験者の「普段子育てに忙殺されている母親の気持ちもわかる」といった2つの見識・立場において議論が交わされるところであろう。そしてこの場合俺は前者に該当するわけなのだけれども、俺としてはその言に従うような、一般論を盾に母親と争うようなことはしたくなかった。
7:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/21(土) 01:58:52.21 ID:8ucU1b060
衆目に晒されつつ言い争う、母親とさっきまで優しかったお姉さんとお兄さんまたはおじさんの剣幕に怯えた少年が、声を放って泣き出したことによってこの騒動は終わりを告げた。
誰も何も得をしなかった。なんとも後味の悪い、情けない幕引きであった。
「なんかごめんな」
8:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/21(土) 01:59:51.62 ID:8ucU1b060
「そこは『小っちゃくない!!』だろ、光」
「……うん」
「小さくても、女の子でも、光は俺のヒーローだよ」
9:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/21(土) 02:00:31.04 ID:8ucU1b060
それから約一年。俺はアイドル事務所、CGプロダクションのプロデューサーとなって社会の荒海に漕ぎ出していた。
ヒーローを作りたいなどという抽象的な、子供じみた動機のもとで就職活動を始めた当時の俺も随分なあほであるが、それらの妄言を全て聞き入れた上で俺なんかを採用した代表もかなりのものである。
でもあの日以来俺の心にはいつも小さな光が灯っていて、俺は善も悪もない社会においてその光を絶やしたくなかったし、代表がそんな俺の話を理解してくれたことが嬉しかった。
俺はこの仕事で飯を食うのだ。
10:以下、新鯖からお送りいたします[sage]
2013/09/21(土) 02:02:13.17 ID:8ucU1b060
うーんこの^p^
文体は町田康のパクリです
すんませんでした
11:以下、新鯖からお送りいたします[sage]
2013/09/21(土) 04:40:50.36 ID:snZR54Lyo
厨二臭い文章だと思ったらやっぱり厨二だった
12:以下、新鯖からお送りいたします[sage]
2013/09/21(土) 06:54:18.31 ID:VZKE1NccO
乙
毎度楽しませてもらってます
13:以下、新鯖からお送りいたします[sage]
2013/09/21(土) 15:54:18.15 ID:z4KIvE620
スレ開いた時点でいつものだと気づけるから困る
乙
14:以下、新鯖からお送りいたします[sage]
2013/09/21(土) 16:21:11.38 ID:wPjjbMI6o
文体が俺に合わないせいかもしれないけど、語り手がウザ過ぎて素直に応援できない
乙
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