過去ログ - オリジナル小説【現代ファンタジー】
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47:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 20:10:42.48 ID:FkLb1xlW0
 結局、数日経っても、必殺技とやらは完成しなかった。
 少し付き過ぎた筋肉も気になるようになってしまったので、マートの心境的にはマイナスと言ったところだ。
 さらに、『町』に行けないため、前にやっていたバイトでなんとか食いつないでいる状態だった。
 彼女が痺れを切らしたのは、まさに時間の問題と言えた。
 メロが寝静まった夜、マートは『町』へと向かった。
以下略



48:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 20:13:32.21 ID:FkLb1xlW0
 前回の戦いで似たようなものと戦っている分、その動きも読みやすい。
 足元にも注意を払っている。
 前回の戦いでの経験が活きているし、多少なりとも体力は向上している。
 戦いは順調に進んでいった。
 しかし、それは錯覚なのかもしれない。
以下略



49:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 20:16:15.26 ID:FkLb1xlW0
 マートも、やや回復してきている。
 痛みをごまかしてその身を起こし、少し遅れて竜の後をつける。
 その先では、彼女にとって予想外の事態が起こっていた。
 竜が結界を猛り狂って叩いている。
 それ自体は、合成獣がたまにやるのをマートも目撃している。
以下略



50:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 20:16:43.34 ID:FkLb1xlW0
「あう……」
 先ほどとは違う意味で、言葉にならない声が漏れる。
 気まずさが、なによりも広がる。
 だが、そんな中でマートは正気を取り戻さなければならなかった。
 結界があるとはいえ、妹に危険が迫っているのだ。
以下略



51:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 20:21:26.03 ID:FkLb1xlW0
 後日。
「メロ〜、お菓子とって〜」
 竜との戦いはマートの勝利に終わったとはいえ、そこで受けたダメージは馬鹿になるものではない。
 しばらくは療養しなくてはならない。
 しかし、前回とは事情が違うので、マートが無茶をすることはないだろう。
以下略



52:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 20:22:02.83 ID:FkLb1xlW0
「データがない?」
 ここで言うデータとは、魔術士の個人情報のこと。
 秘密事項である彼らを管理するには、彼らの秘密を握っていなければならない。
 だが、スケアクロウとウィッチには、それがないというのだ。
「考えられることは、彼らが、先日初めて戦いに赴いたこと」
以下略



53:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 20:23:26.07 ID:FkLb1xlW0
 また後日。
 マートの体調も復調し、ある程度のリハビリも終え、戦線に復帰する。
 ただし、条件はメロがついていくこと。
 メロもアレックもなんだかんだ言って心配症なのだ。
 メロに見送られ、マートは『町』の中へと入っていった。
以下略



54:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 20:24:14.58 ID:FkLb1xlW0
「……まぁ、いいでしょう」
 ウィッチの抑揚のない声。
 違和感と、かすかな恐怖。それを感じてマートは二人から飛び退き離れた。
「あれ? どうしたんすか? エラメクさん」
 スケアクロウの方も、声に抑揚がない。
以下略



55:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 20:24:43.34 ID:FkLb1xlW0
 運命という名の破滅は、ある日唐突に訪れた。
 それは、合成獣という形を取り、人間の牙を向こうとした。
 その時、一組の男女は運命に抗い、合成獣を『町』に封じ込めることに成功したのだ。
 だが、合成獣は沈黙したわけではなかった。
 ずっと蓄えていたのだ。結界を打ち破るための力を。
以下略



56:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 20:25:13.40 ID:FkLb1xlW0
 運命なるものがもし、意志を持っていたとしたら、彼は子どもに違いない。
 それはまさに、子どもが考えたような化け物だったからだ。
 なにもかもを飲み込んで型創るそれは、絶望そのものだった。
 
 具体的に現せるのは、その馬鹿げた大きさのみ。
以下略



57:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 20:25:58.59 ID:FkLb1xlW0
『頃合いです』
 合成獣から、スケアクロウとウィッチの声が重なって聴こえてくる。
 どうやら、会話能力があるようだ。
「頃合い?」
 マートは心に浮かんだ絶望を押さえつけ、平常を装い、対話を試みる。
以下略



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