2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/11/10(日) 23:20:09.24 ID:gVo5Vc180
駅のホームで待っていた、余裕のないサラリーマンに道をあけてやる。
そいつは子豚の腹に一度当たって、跳ね返りながらもバックを盾にまた奥へと邁進していった。
続いて雪崩のように人・人・人。通勤ラッシュ。
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/11/10(日) 23:26:16.71 ID:gVo5Vc180
佐藤は扉の前に立っていた。そして、キョロキョロと辺りを見回す。
「何してんの?」
「えっと、どこ持とうかと思って」
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2013/11/10(日) 23:33:42.91 ID:gVo5Vc180
私はちょっとばかりこそばゆくなりながら、携帯を取り出して意味もなくメールを見た。
受信なし、と。
電車が発車する。学校まで20分。それまでこの体勢か。
きついな。
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/11/10(日) 23:43:40.75 ID:gVo5Vc180
まあクラスメートのよしみで人道支援してやりたいけど、残念ながら私の入る隙間がもうない。
悲しいかな。
次の駅に着けば、またアリのような大群が押し寄せてくるのだろう。
細くて良かった。少しでも空間を食わずに済むし。
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2013/11/10(日) 23:48:12.22 ID:p4Yu0rw/0
全力支援
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/11/10(日) 23:54:17.87 ID:gVo5Vc180
たんたん、と続いて足音。
座席にいる若いイケメンリーマンが音楽を聞きながら、足でリズムを刻んでいる。
イケメンだからって何でも許されると思ったら大間違いだ。OLはどうやらそれで苛立っていたようだ。
私は自分には甘いが他人の迷惑行為には厳しい。
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/11/11(月) 00:07:36.61 ID:3fMmVyzW0
少しでも揺れれば、おっさんのたぶんカサカサの唇が、佐藤の首筋にくっつく勢いだった。
案の定、電車が揺れて―――私は思わずゲロりそうになった――男の唇が佐藤の首筋に当たったのを見た。
たぶん、こうやって注意していたから発見できた。佐藤の周りのやつは各々好き勝手にして、気づいちゃいない。
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/11/11(月) 00:16:19.66 ID:3fMmVyzW0
「ふーふー」
「はあ!?」
なんてことだ。あの後ろのおっさんはあろうことかイチモツをがっつり生で、制服に擦りつけているらしい。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/11/11(月) 00:24:26.86 ID:3fMmVyzW0
それに次の駅でさらに人が入ってきたら、佐藤を完全に見失ってしまう。
私は子豚のおっさんにお願いする。
(お願い、次の駅で助けたいから、停車の衝撃で転がったように見せかけてくんない?)
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/11/11(月) 00:34:08.34 ID:3fMmVyzW0
私は佐藤の顔は見ずに、袖を引っ張ったまま、とにかく構内のトイレに猛ダッシュした。
鏡には化粧直しやら、歯磨きをしている女性が並んでいて、しょうがなく個室へと二人で入る。
互いに息を切らせて、壁にもたれ掛かった。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/11/11(月) 00:42:29.73 ID:3fMmVyzW0
と、佐藤が私のスカートを掴んでいた。
「まっ……」
声は出ていなかったが、待ってと言いたいのだろう。
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