7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/11/10(日) 23:54:17.87 ID:gVo5Vc180
 たんたん、と続いて足音。 
 座席にいる若いイケメンリーマンが音楽を聞きながら、足でリズムを刻んでいる。 
 イケメンだからって何でも許されると思ったら大間違いだ。OLはどうやらそれで苛立っていたようだ。 
  
 私は自分には甘いが他人の迷惑行為には厳しい。 
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/11/11(月) 00:07:36.61 ID:3fMmVyzW0
 少しでも揺れれば、おっさんのたぶんカサカサの唇が、佐藤の首筋にくっつく勢いだった。 
  
 案の定、電車が揺れて―――私は思わずゲロりそうになった――男の唇が佐藤の首筋に当たったのを見た。 
 たぶん、こうやって注意していたから発見できた。佐藤の周りのやつは各々好き勝手にして、気づいちゃいない。 
  
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/11/11(月) 00:16:19.66 ID:3fMmVyzW0
 「ふーふー」 
  
 「はあ!?」 
  
 なんてことだ。あの後ろのおっさんはあろうことかイチモツをがっつり生で、制服に擦りつけているらしい。 
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/11/11(月) 00:24:26.86 ID:3fMmVyzW0
 それに次の駅でさらに人が入ってきたら、佐藤を完全に見失ってしまう。 
  
 私は子豚のおっさんにお願いする。 
  
 (お願い、次の駅で助けたいから、停車の衝撃で転がったように見せかけてくんない?) 
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/11/11(月) 00:34:08.34 ID:3fMmVyzW0
 私は佐藤の顔は見ずに、袖を引っ張ったまま、とにかく構内のトイレに猛ダッシュした。 
  
 鏡には化粧直しやら、歯磨きをしている女性が並んでいて、しょうがなく個室へと二人で入る。 
 互いに息を切らせて、壁にもたれ掛かった。 
  
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/11/11(月) 00:42:29.73 ID:3fMmVyzW0
 と、佐藤が私のスカートを掴んでいた。 
  
 「まっ……」 
  
 声は出ていなかったが、待ってと言いたいのだろう。 
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/11/11(月) 00:47:31.45 ID:3fMmVyzW0
 私はなんとかエレベーターを利用して、地上まで出てきたが、人目に付きすぎるわ腕が痺れてきたわで早すぎる限界を感じていた。 
  
 「あー、どうしよ……っ」 
  
 ビル群を見渡す。 
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/11/11(月) 00:55:22.05 ID:3fMmVyzW0
 「お客様の部屋番号は210号室になります。ごゆっくりお過ごしください」 
  
 私たちを訝しげに見つめながら、ただし笑顔は崩さずホテルマンはそう言ってカードキーを手渡してくれた。 
  
  
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/11/11(月) 01:04:48.10 ID:3fMmVyzW0
 目を瞑ろうとして、ふと佐藤のスカートについていた白いシミが視界に映った。 
 せめて、この気色悪いスカートだけでも脱がせてやろう。 
  
 私はのっそりと体を起こす。 
  
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/11/11(月) 01:12:36.83 ID:3fMmVyzW0
 しかし、チカンなんて初めて見た。 
 そして、されている奴も初めて見た。 
  
 言っちゃ悪いが、男が痴漢をするのは生理現象だと思っている。 
 だから、しっかりされる側が叱ってやればいい。 
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