74: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/03/02(日) 22:08:59.07 ID:J+Hw8iuQ0
そんな彼が遂に脱いだ。
友人との絆を守る為に、彼は着ていたジャージを脱ぎ捨て、代わりにセーラー服とスカートを身に纏ったのだ。
さながらそれは騎士が友と家族と祖国を守る為に甲冑を身に纏って戦場へと赴く様に似ていた。
75: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/03/02(日) 22:10:14.20 ID:J+Hw8iuQ0
「ケンスケ、いきなり何すんねん!」
頬を押さえながらトウジが抗議する。
しかし、ケンスケはそれには答えず、トウジの両肩をがっしりと掴んで激しく揺さぶった。
76: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/03/02(日) 22:11:56.43 ID:J+Hw8iuQ0
荒い息を吐いて涙をぽろぽろと溢すケンスケ。
地面に倒れたまま親友を見上げるトウジ。
自分の為に涙する友の姿を見て、トウジもまた知らず知らずの内に涙を流していた。
77: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/03/02(日) 22:13:49.87 ID:J+Hw8iuQ0
太宰治が書いた小説の中に「走れメロス」という作品がある。
その物語にはありとあらゆる友情が詰まっている。
例えば、処刑までの人質となる事を承諾したセリウンティヌス。
78: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/03/02(日) 22:15:38.64 ID:J+Hw8iuQ0
そして、時は動き出す。
ケンスケがゲンドウへの愛を告白し、シンジが凍りつき、アスカが固まり、トウジがルーズソックスの手直しをしていた頃へと。
79: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/03/02(日) 22:16:49.69 ID:J+Hw8iuQ0
つづく
80:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/03/02(日) 22:37:36.35 ID:Xka3ptZao
乙、続き期待してる
81:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/03/02(日) 22:44:04.29 ID:lcbChzcAO
味わい深い。
82:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/03/02(日) 23:07:17.12 ID:BfbPHPK9O
次はアスカか……
83: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/03/03(月) 18:14:04.74 ID:bH+Tcx6s0
不審者がいるとの通報を受けた警察は、市民の安全と平和の為に可能な限り迅速にその場へと駆けつけた。
しかし、その頃にはシンジ達も流石に周りからの白い目に気付いており、かつ通報を受けたという事実を小耳に挟んだ為、可能な限り迅速にその場から逃走した。
丁度その頃、ネルフの副司令である冬月は、電車でネルフへと出勤する為にその場を通りかかっていた。
84: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/03/03(月) 18:20:09.64 ID:bH+Tcx6s0
そんな事は露知らず、シンジ達四名は学校へと何とかたどり着いていた。
途中、アスカがシンジの為に甲斐甲斐しくポカリを頭からかけたり飲ませたりしていたので、炎天下の中で走り続けたにもかかわらず、着ぐるみを着ていたシンジもどうにか無事である。
その代償として、彼は頭からつま先までびしょびしょになっており、動く度に着ぐるみの中からちゃぽちゃぽと音をさせてはいたが。
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