17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/15(日) 01:54:36.47 ID:HJFvpnSw0
P「実は、昨日俺の靴下が無くなってて…もしかしたら事務所内に忘れてっただけかもしれないし、ちょっと臭いで探せないか?ってなー」
冗談めいた言い方で、あの異臭を内包しているであろう靴を履いた足を向けながらpさんが言う。
たとえ冗談であったとしても、何ということを言い出すのだ、この人は。
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/15(日) 01:55:07.90 ID:HJFvpnSw0
P「…これって…探してくれる、ってことか?」
聖來「わ、わかんないよ!いくらわんこでも、そんなこと…」
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/15(日) 01:56:00.41 ID:HJFvpnSw0
わんこを追って辿り着いたのは、アタシ達アイドルには入る機会の少ない会議室。
わんこはその扉の横で、まるでアタシ達を待っていたかのように、お座りをして尻尾を小さく振っている。
P「…この中に、あるのか…?」
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/15(日) 01:57:08.26 ID:HJFvpnSw0
不意に、彼女の姿が脳裏に浮かんだ。
渋谷凛。
アタシが今、事務所にいる理由の発端。
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/15(日) 01:58:05.59 ID:HJFvpnSw0
そして。
アタシと、pさんを不安な気持ちにさせる要因は、もう1つあった。
もし、靴下を持ち出した人間が判明したとして…一体、どんな反応をしたらいいのか。
22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/15(日) 01:59:07.63 ID:HJFvpnSw0
会議室には窓が付いておらず、昼間であっても明かりが無ければ暗いままだ。
pさんは、蠢く“モノ”の正体を確かめる為、恐る恐ると言うように、部屋の電気を点ける。
アタシは電気が点灯するより前に、彼女であってほしくないと願うように…自身の気持ちを落ち着かせるように、慌ててわんこを抱きかかえて目を瞑った。
23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/15(日) 01:59:52.70 ID:HJFvpnSw0
最悪、だった。
想定していた中でも最悪のケース。
会議室の中には、靴下を持ち込んだ犯人がいた。
24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/15(日) 02:01:14.85 ID:HJFvpnSw0
聖來「凛ちゃん、ソレ…何、してるの?」
彼女――凛ちゃんは、呆気にとられたような表情を浮かべ…口に咥えた靴下を落とし、小さな声をこぼした。
25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/15(日) 02:03:18.51 ID:HJFvpnSw0
長い長い、沈黙。
時間にしてみればそう長くは経っていないのだろうけれど…アタシには、その時間がとても長く感じられた。
26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/15(日) 02:04:00.13 ID:HJFvpnSw0
思い当たることと言えば、彼女の、pさんへの想い。
スカウトされたばかりの頃の彼女は、pさんにもツンとしていたそうだが、今の彼女にはそんな素振りは微塵もない。
むしろ、pさんに対して好意すら抱いているように見える。
27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/15(日) 02:04:41.23 ID:HJFvpnSw0
そんなアタシの考えを打ち切るように。
pさんが、重い空気のまま口を開いた。
P「…凛。昨日、俺の靴下が無くなってたんだ」
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