11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 20:50:08.95 ID:UHZTgUVzo
「聞いておいて何その態度」
「別になんでもないよ。今日も寒いね」
結露を纏った窓を思い出し、外を想像する。凍てつく風が吹く中、一番カワイイあいつはどう思ってるんだろうか。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 20:50:35.12 ID:UHZTgUVzo
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13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 20:51:04.86 ID:UHZTgUVzo
何秒か、何十秒か、何十分かの静寂の後、少し本腰を入れて聞いてみる。勿論、精一杯の皮肉を込めて。
「それで、どうするつもりなの? プロデューサーさん?」
「怒らせたいわけなのか、杏は」
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 20:51:30.98 ID:UHZTgUVzo
次第に無言の空気に耐えられなくなったのか、プロデューサーは喋りだした。
「……幸子は、まだ14歳だよ」
「うん」
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 20:52:09.96 ID:UHZTgUVzo
「……なんでさ」
「周りの目ばっかり気にしてる。プロデューサーの身長と同じだよ。等身大の自分を見ていないんじゃない?」
「どういうことだよ」
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 20:52:52.63 ID:UHZTgUVzo
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17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 20:53:46.03 ID:UHZTgUVzo
「でも、クールのお姉様方見てればわかるでしょ?」
と、思っていたけども、プロデューサーの悲壮な一言で現実がわかってしまう。彼は何をしたってマスコットなんだ。ただ小さいという特徴だけを見られる。
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 20:54:19.98 ID:UHZTgUVzo
しばらくの時間、飴を舐めていた。いちご、ぶどう、メロン、オレンジ、りんご。レーベルは違えども、きらりはやっぱり私のツボを抑えている。見たこともない飴でも、美味しいかった。
そうしている内に、プロデューサーが一言、溜息と一緒に呟いた。
「……どうしようかなぁ」
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 20:55:08.19 ID:UHZTgUVzo
そうして飴を舐めながら、またも暫くの間あれこれと一人で考えるプロデューサーに、一つ進言をする。輿水幸子がそうしたように、私も――杏も。
「杏はね、悩むくらいなら妥協しちゃったりするよ」
「妥協?」
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 20:55:59.41 ID:UHZTgUVzo
プロデューサーにとっての輿水幸子は12cm。双葉杏は15cm。その間3cmはどうやって埋めていけばいいのだろうか。
だらだらと、ぐうぐうと過ごしてきた双葉杏を、どれだけプロデューサーが気にかけてきたのか。杏は幸子のように動いてやっていない。だけど私は、彼をずっと見ていたということに偽りはない。
「だからね、プロデューサー」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 20:56:25.63 ID:UHZTgUVzo
「プロデューサーは杏と15cm程度しかないけど」
この少しの距離、プロデューサーは腕を伸ばしてくれるだろうか。
「杏にとっては、その15cmは杏だけのものなんだよ」
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