過去ログ - 梓「経線上のアリア」
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6:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/05(水) 00:46:30.71 ID:kVbbRwGOo

 携帯を開く。
 届いてるわけもない。ああ。
 つい十数分前にここに来るってメールをもらったばかりなのに、
 さっきから何度ぱかぱかやってるんだろう。
以下略



7:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/05(水) 00:46:57.30 ID:kVbbRwGOo

 サッカーボールだった。
 それを拾い上げると向こうから坊主の子が走ってくるのが見える。

 私はそれを蹴ろうとして、
以下略



8:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/05(水) 00:47:23.93 ID:kVbbRwGOo

 私は文庫本と携帯電話を傍らのバッグに押し込むと深く息をついた。
 かさついた唇から流れた息とともに、
 自分の中のなにかまで落としてしまった気がして、
 足下に目を落とす。
以下略



9:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/05(水) 00:47:50.56 ID:kVbbRwGOo

 もう一度手を伸ばしてみた。
 脚だけでなく腕のリーチも短い私は、
 自分で引いた国境線さえ突き破れないのを知った。

以下略



10:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/05(水) 00:48:17.07 ID:kVbbRwGOo

 入り口の方でブロンドの女性が見えた。ムギ先輩ではない。
 もっと年上の人で、赤毛の男の子を連れている。

 外国人の二人を見て、
以下略



11:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/05(水) 00:48:43.76 ID:kVbbRwGOo

 私があのぐらいの頃は今よりずっと人見知りで、
 ずっと両親の足下に隠れてびくびくしているような子で、
 そのくせなつくと理由をつけてはくっついて離れないというめんどくさいやつだった。

以下略



12:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/05(水) 00:49:10.36 ID:kVbbRwGOo

 マイ・ネーム・イズ・アズサ。マイ・ホビー・イズ・ギター。
 それは一種の壁で、小さな私を母親のように守っていてくれて、
 私はその壁を強く固く広げながら育った。

以下略



13:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/05(水) 00:49:36.94 ID:kVbbRwGOo

 ひっ、と驚いて息もできない声も出せない。
 でもその腕の正体はすぐわかった、
 私はこの熱を肌の感触をこんなことする人を知っている!
 あいかわらず声なんて出ないでいる私の右肩にかわいい頭を乗せて
以下略



14:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/05(水) 00:50:04.09 ID:kVbbRwGOo

 やった、やっと会えた。
 どうしよう、心臓がばくばくいってる!
 もうあの人なんてことするの、私まだ何の準備もできてないのに……
 頭の中が急にいろんなものではじけ出してるのに
以下略



15:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/05(水) 00:50:30.61 ID:kVbbRwGOo

「……お久しぶりです、せんぱい」

 間の抜けたことを私が言った。
 もう、息をもらすのと変わらないぐらいの言葉だ。
以下略



16:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/05(水) 00:52:10.35 ID:kVbbRwGOo

「……お久しぶりです、せんぱい」

 間の抜けたことを私が言った。
 もう、息をもらすのと変わらないぐらいの言葉だ。
以下略



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