6: ◆ng2Oz8aFCM[saga]
2014/03/25(火) 22:36:38.89 ID:7dJgv5JR0
ひやり。冷たい感触がした。もしや、と思う。
弾みをつけてソファーから体を起こした。
ちひろ「みくちゃん、どうしたの?」
7: ◆ng2Oz8aFCM[saga]
2014/03/25(火) 22:38:13.66 ID:7dJgv5JR0
みく「……にゃ……ふ……」
唇を噛み、声を漏らさないように。分かっている。事務所のトイレでするなんて、とんだ発情猫だ。
こんなところ、ファンには絶対に見せられない。それに、こんなことを知られたら、あの人にも引かれてしまうだろう。
でも、ダメだ。みくの中の女が、指を動かし続けろと命じてくる。
8: ◆ng2Oz8aFCM[saga]
2014/03/25(火) 22:40:09.63 ID:7dJgv5JR0
ちひろ「お帰りなさい。顔が赤いけれど、どうしたの?」
みく「にゃっ!? な、なんでもないにゃ〜♪」
あわてて取り繕う。笑顔がひきつっていたかもしれない。ちひろチャンは眉をひそめ、訝しげにみくを見ていた。
9: ◆ng2Oz8aFCM[saga]
2014/03/25(火) 22:42:38.06 ID:7dJgv5JR0
みく「実は、にゃ」
そこで一呼吸置いて、心に溜めておいたあの人への想いを、一気にちひろチャンに吐き出していった。
どうしようもなくあの人のことが好きなこと。
みくの中の女が、みくに囁いてくること。
10: ◆ng2Oz8aFCM[saga]
2014/03/25(火) 22:44:44.73 ID:7dJgv5JR0
みくがおちつくのを待って、ちひろチャンは優しく笑いかけてくれた。
ちひろ「みくちゃんは、本当にプロデューサーさんのことが好きなのね」
みく「すき、すきにゃ……。だから、だから迷惑になるとおもって――」
11: ◆ng2Oz8aFCM[saga]
2014/03/25(火) 22:46:25.70 ID:7dJgv5JR0
ちひろ「あら、どうして断られると思っているんですか?」
ちひろチャンは笑顔で続ける。
12: ◆ng2Oz8aFCM[saga]
2014/03/25(火) 22:48:42.50 ID:7dJgv5JR0
―――
――
―
レッスンはハードだ。
13: ◆ng2Oz8aFCM[saga]
2014/03/25(火) 22:52:49.95 ID:7dJgv5JR0
P「みくは大丈夫ですか!?」
あわてた顔で、Pチャンは勢いよく入ってきた。
外は肌寒いというのに、額には玉のような汗がうかんでいる。よほど急いで来たらしい。
14: ◆ng2Oz8aFCM[saga]
2014/03/25(火) 22:55:04.31 ID:7dJgv5JR0
その汗のにおいはみくにとって不快ではなかった。
むしろ心地よかった。マタタビに酔いしれる猫のように、Pチャンの香りに酔いしれている。
ぴっとりと、Pチャンにくっついた。そのほうがぬくもりと、匂いを感じられるからだ。
Pチャンの体がぴくりと動いた気がした。
15: ◆ng2Oz8aFCM[saga]
2014/03/25(火) 22:56:22.20 ID:7dJgv5JR0
事務所に戻ると、事情を聞いていたのか心配そうにちひろチャンが近づいてきた。
大丈夫にゃ、それより……。
みくがそう切り出すと、ちひろチャンは訳知り顔でうなずく。
ちひろ「ちょーっと備品を買いに出かけてきますねっ! プロデューサーさん、少し留守をお願いします!」
16: ◆ng2Oz8aFCM[saga]
2014/03/25(火) 22:57:23.01 ID:7dJgv5JR0
さあ告白しよう、と簡単に決めてしまっても、恥ずかしさでそう簡単には言えない。
いままで溜めて、我慢してきた想いならなおさらだ。
心臓が早鐘を打っている。口の中が乾く。
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