過去ログ - 教師「お前は一体どうしたいんだ!」 少女「私は……」
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2014/10/07(火) 19:29:39.01 ID:6o+8Z5aP0
それが起こったのは、面談から一週間ほど後、終礼のショートホームルームだった。
普段は単に連絡事項を伝えるための時間だが、その日ばかりはそうもいかなかった。ここ最近、このクラス全体の授業態度がすこぶる悪いというのだ。
といっても、実は教師の授業ではほとんど私語は見られない。教師は教員間で最もこのクラスの生徒に恨まれているのは自分だと自認しているが、生徒の敵意は授業の妨害よりはむしろ消極的姿勢に向いていた。
以下略
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2014/10/07(火) 19:30:27.13 ID:6o+8Z5aP0
しかし、一笑に付さずにこうして終礼で取り上げているのは、教師にも心当たる節があるからだった。
顕著なのは教師に対する視線の変化である。今まではずっと、多少の毛色や種類の違いはあれど、敵意という感情に収斂していた。ところが、ここのところは、それに様子を窺うような気配が混じることがある。
たとえば授業で演習を申し渡して黒板を消しているとき、首筋にちりちりするものを感じて振り返ると、少なくない数の生徒がじっと教師を見つめている――それも授業が理解できないというふうでもなく、何かを探るような眼差しを向けてくる。そんなことが跡を絶たなかった。
以下略
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2014/10/07(火) 19:32:53.26 ID:6o+8Z5aP0
しかし彼女の不在は、教室の変調を牽制するには好都合でもある。
意識して語調を鋭く、授業参加の義務を説く。そのなかで、生徒が教員の指示に従わない場合の措置について、脅しの意味を込めて言及した。
――必要なら臨時の保護者会や懇談会を開催する。
以下略
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2014/10/07(火) 19:33:50.86 ID:6o+8Z5aP0
生徒「……知ってるんだぞ、オレは」
知ってるんだ、と生徒は執拗に何度も繰り返す。教師の口から訊き出させたくて仕方がない、という貌は、獲物をいたぶる喜びに満ちている。
教師が硬い声で、何を、と訊くと、生徒は勝ち誇ったように傲然と顔を振り上げた。
以下略
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2014/10/07(火) 19:34:56.67 ID:6o+8Z5aP0
たった一週間前に、教師は正面から悪意をぶつけられたばかりではないか。その結果、教師は担任として彼女に関わる権限を取り上げられ、教師の企図した行動は、連中が彼女に近づくための格好の口実にもなりかねない危機を招来した。
同じことがここでも再現されているのではないか。
それが誰の手によるものか――そんなことができる人間は、この学校にひとりしかいない。
以下略
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2014/10/07(火) 19:35:22.37 ID:6o+8Z5aP0
現に今、教師の立場に致命的な打撃を与える、この絶好の機会を演出してみせている。生徒に手を汚させるため、生徒に良からぬことを吹き込んだ。彼女の面前であんな台詞を履けるはずがないから、彼女の不在というチャンスも作ってやった。
奴は眈眈と牙を研ぎ、ついに奴の顎は教師を捕らえたのだ。
教師(なぜ見落としていた……ほんの少しでも疑えば気付いたはずなのに、どうして私は……)
以下略
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2014/10/07(火) 19:39:50.11 ID:6o+8Z5aP0
――生徒の心は荒廃している。それは天女の如き少女の寵愛を受けられないことへの苦悩のためであり、同時に担任という立場から少女に信を置かれる教師に対する嫉妬のためでもある。
今までは危ういながらも、教師と生徒たちの関係は、教職者と学生の枠内に収まっていた。この均衡が破れることは、それは教師の担任するクラスの秩序が崩壊するということだ。
待て、と声を投げかけるが、生徒は頑なに荷物を片付ける手を止めない。再度制止をかけようとしたが、一面に物音が拡大した。教室の全員は、誰ひとりとして教師の指示に従わず、荷物をまとめ始めていた。
以下略
163
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2014/10/07(火) 19:41:20.66 ID:6o+8Z5aP0
今日はここまで
たぶんあと二、三回の更新で終わるかなー
少なくとも五回以内には終わるはず
164
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2014/10/07(火) 19:46:07.67 ID:w27/hE2mO
乙です。
あー終わりが近付くのが楽しみで残念です。
165
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2014/10/07(火) 19:55:05.90 ID:CQIAsZqM0
乙
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(SSL)
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2014/10/18(土) 22:50:18.38 ID:OH0uup+60
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