過去ログ - 教師「お前は一体どうしたいんだ!」 少女「私は……」
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2014/11/09(日) 10:31:37.30 ID:+3BGlNmE0
しかし、教師には頼れる誰かなどいない。
教頭も主任も校長も、教師と生徒の関係をぶち壊しにした共犯者なのだ。
窮地に立つ教師に救いの手を差し伸べてくれるわけがない。
それでも、もしかしたら事態の重大さを理解してくれるかもしれない。
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2014/11/09(日) 10:32:10.94 ID:+3BGlNmE0
浮き足立つ同僚に、教師は冷ややかな目を向けていた。自分たちの行いがこの災いを招き寄せたというのに、そんなこともわからないのかと思った。
そもそも生徒というものは、学校に対して、大なり小なり恨みを抱いているものなのだから。
教育の美名の下に自分を管理しようとするものに反感を感じずにはいられないだろう。暴発の火種はそこここに満ちている。だからこそ教員は、彼らの鬱屈を正しい方向に導き、道を踏み外さないよう見守らなければならない。
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2014/11/09(日) 10:32:47.27 ID:+3BGlNmE0
――実際、舞台は整えられつつあった。日曜日を臨時休校として一切の学校活動を停止し、緊急職員会議が行われることになったのである。
簡単な伝達は職員室で行われるが、重大案件の職員会議は会議室で行われるのが通例らしい。教師が着任して以来、はじめてのことだった。
それだけ彼らも焦っているのだ。些末な諍いに囚われず、本気で問題解決に取り組もうとしている表れだと、少し安堵している自分がいた。
彼らにも教員としての自覚が残っていたのだと思うと嬉しかった。
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2014/11/09(日) 10:33:41.52 ID:+3BGlNmE0
だがそれも終わりだ。さすがに会議前を捕まえれば、資料を渡すのを嫌がる口実はあるまい。
教師は職員室の扉を開けた。
教師を迎えたのはむっと篭もった蒸し暑さだった。空調を確認するが、冷房が点いていない。しかもデスクのパソコンはひとつも立ち上がっていない。資料を準備している形跡はどこにもなかった。
物音の絶えた室内を教師は見渡した。ブラインドの隙間から日差しを洩らすだけの薄暗い部屋は奇妙に静かだった。
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2014/11/09(日) 10:34:20.09 ID:+3BGlNmE0
じりじりと時を過ごす教師が近づく足音を捉えたのは開会の十分前だった。それもひとつではない、複数人のものだ。思わず腰を浮かせた教師が振り返ると同時に扉が開いた。
「……おや、早いね」
そう言って教頭は顔をしかめた。
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2014/11/09(日) 10:35:05.95 ID:+3BGlNmE0
教頭が立ち上がって、厳しい面持ちで会議室の面々を睥睨する校長にこの学校の現状を報告する。
保護者からの突き上げ、教育委員会からの指導通告を哀切悔悟たっぷりに慨嘆する教頭を、校長は右手を挙げて遮った。じろりと教頭を睨んで、重々しく口を開く。
校長「御託はいい。つまり、私の学校は危機的な状況にあるということだな。それで? それは誰の責任だ? 君の管理責任なのではないか? それとも、私のせいだとでも言うつもりか?」
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2014/11/09(日) 10:35:54.92 ID:+3BGlNmE0
そうなんですよ、と追従したのは副担任だった。
副担任「ワタシも何度も言ったんですけどね? あんまりそーいうことすんのはどうなんすかね、って。でも、この人、これは教育だっつって、セクハラとかしちゃったりして、もう、タイヘンだったんスよ」
教頭「そう、そうなんです、そういう悪評が生徒たちに伝わってしまい、このようなことに……! ですので校長先生には責任などあろうはずもありません! 全部、あの男のせいなのです!」
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2014/11/09(日) 10:39:06.26 ID:+3BGlNmE0
なるほどねえ、と教頭を称えるふうの校長に、教頭は恐縮したように頭を下げる。その光景が現実のものとは思えなくて、教師は校長たちとそれを見守る同僚たちを見比べる。
ああ、と校長が思い出したように教師を振り向いた。
校長「ということだが、君はどうだ? 何か言いたいことがあるか?」
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2014/11/09(日) 10:39:54.00 ID:+3BGlNmE0
これが最後の機会だ。ここで退いたら、この学校を救う機会は永遠に失われる。教師は学校にあるべき姿を取り戻さなくてはならない。その一心で言葉を紡ぐ。
教師「責任のなすりつけ合いは今すべきことではありませんし、生徒の暴挙で教員が追放されるという前例を作るのは将来に深い禍根を残します。個別的な生活指導や保護者・生徒との三者面談などが――」
机を強く叩く音が響いた。驚いて目を向けると、満身に力を込めて主任が立ち上がった。眉間に深い皺を刻んだ顔から発される声はいつにも増して金属を擦り合わせたように不快だった。
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2014/11/09(日) 10:40:35.31 ID:+3BGlNmE0
校長「とりあえず、言い分はわかった。彼の教員としての適正が疑わしいこともな。それで、どうだろう。しばらく彼を謹慎させて、様子を見るというのは?」
参加者は校長の名案に拍手で応えた。満面に満足そうな笑みを湛える校長は、そういえば、と教頭を振り返った。
校長「生徒が暴走していると言っても、ちゃんと授業を受けている生徒はいるんだろう? ならその子たちのケアをしっかりしないとな」
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