過去ログ - 教師「お前は一体どうしたいんだ!」 少女「私は……」
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26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/15(日) 05:41:53.77 ID:GEL0NFRX0
狭い部屋のテーブルを挟んで、教師と少女は向かい合って座った。
心なし落ち着かないものを感じて、少女の淹れてくれたお茶に口を付ける。

少女は制服を着替えていた。学校が昼までで家庭訪問が夕方近くなのだから当然である。
当然ではあるのだが。
以下略



27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/15(日) 05:42:32.30 ID:GEL0NFRX0
ふっつりと黙り込んだ少女を尻目に部屋の様子を検める。

よく整頓されている家だった。というよりは、物自体が少ないという印象。
ベランダを見ても洗濯物は見当たらない。きっちり取り入れてタンスなり何なりに仕舞っているのだろう。
家庭訪問をすっぽかして連絡一つよこさない母親が、掃除や洗濯だけは勤勉に励むだろうか?
以下略



28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/15(日) 05:43:01.16 ID:GEL0NFRX0
教師「お前の母親が家を空けるのは珍しくないんじゃないか? 仕事かそうじゃないかはともかくとして」

少女「はい。この家に帰ってくるのは……そうですね、週に2、3度でしょうか」

教師「その間、この家にはお前だけなんだな? 家のことをしているわけでもなさそうだ。家事全般もお前がやっている」
以下略



29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/15(日) 05:43:29.43 ID:GEL0NFRX0
はたして少女は、鮮やかに赤い舌で、艶めく唇をぺろりと湿らせた。

少女「おそらく、今お付き合いしている男の人のところだと思います。先生が予想していらっしゃるとおりに」

教師「『今』? しょっちゅう男を取っ替え引っ替えしているようだな」
以下略



30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/15(日) 05:44:04.33 ID:GEL0NFRX0
教師「アイツは報告書も何もかも偽装していたんだな? 私にも嘘を言っていたわけだ。何してんだよ全く……」

長いため息が漏れる。前任やそれを放置していた連中に嫌悪を覚えるが、薄々勘付きながら何もできなかった教師も同罪だった。
所詮同じ穴のムジナか、と消沈する。

以下略



31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/15(日) 05:45:17.66 ID:GEL0NFRX0
ここまで
これからは教師をどんどん追い詰めていきたい


32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/06/15(日) 07:20:33.11 ID:QqlZ2ViEO
乙乙


33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/07/06(日) 05:05:56.50 ID:OYnXFm4T0
続きー


34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/06(日) 05:12:58.68 ID:OYnXFm4T0
教師「お前の家庭環境に関して確認しておきたい事がいくつかある。言いたくないことがあれば言わなくてもいい。無理強いはしない。いいか?」

言葉を投げかけておいて、ひとまず様子を見る。自分の発言がどう影響するかを注意深く観察するためだった。――それほど、この少女の置かれた環境はおよそ教師の知っている生活とはかけ離れていた。
ひとつには、戸籍上は唯一の肉親であるはずの母親から完全に見放されているという家庭環境のために。あるいは、1年以上を経過してなお一切の友人を持つことなく、孤立を深めていく一方であるという学校環境のために。

以下略



35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/06(日) 05:13:36.35 ID:OYnXFm4T0
反応を窺うような言葉を放った教師に対し、少女はあくまで笑みを崩さない。
先を促すように閉じられた唇はいつものごとく優美な弧を描き、かすかに漏れ聞こえる吐息の音が鼓膜を揺らす。どこからともなく匂い立つのは、頭がぼうっと痺れるような危険な甘さ。
――毒だ。理性をたやすく侵す、おそろしく甘美な毒……。
わかっていてもなお欲するだけの価値があるように思えた。他の何をなげうってでも、ただその視線を、肌を、声すらも独占したいと渇望させるそれ。

以下略



36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/06(日) 05:14:25.80 ID:OYnXFm4T0
ただし彼女は一度でも、額づいて忠誠を誓いかねない愚衆に要求したことはない。下らない争いはやめよと鎮めることもしなかった。
あるいはそれこそが彼女の罪、事態を悪化させ、クラスの誰にとっても悪夢のような終着に至らしめた原因なのかもしれない。
彼女は何一つ手を下さないまま、教室の影なる支配者として君臨した。
事態は進級してクラス替えが行われても変わることはなく、彼女は依然、何一つ物言わぬ支配者だった。

以下略



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