過去ログ - ネクロくんとマンサちゃん
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3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/11(金) 21:07:52.14 ID:7iy1jcu1o
「……どう?」
よほどお腹が空いていたのだろう、彼女はボクの言葉にしばらく答えず器を貪っている。
やがて器の中身を空にしてからボクの方を見て、
「……おかわりは、ある?」
そう上目遣いに聞いてきた。
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4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/11(金) 21:08:42.74 ID:7iy1jcu1o
キミは食べないの?おいしいよ?」
流石の彼女もおかわりの時は周りを見る余裕があるのか、器から顔を上げてこちらを見ながらそんなことを言った。
「……大丈夫。お腹、減ってないから」
「ふーん……そっか」
結局おかわりも皿を舐めるまで堪能した彼女は、満足そうに満面の笑みを浮かべるとソファーで横になった。
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5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/11(金) 21:09:15.00 ID:7iy1jcu1o
お腹いっぱいになったら、眠たくなっちゃった……」
もう既に半分寝入りそうな声で彼女が言う。
言葉に続きはないが、ボクを離そうとはしない彼女が続けようとしたであろう言葉は一つだろう。
彼女に引っ付かれたまま、さっきまで寝ていたソファーまで彼女と移動すると、ボクもそのまま横になった。
まだ臭わないか少し心配だったが、彼女はそんなこと気にしていないのかぐりぐりとボクの背中に頭を擦りつけて、
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/11(金) 21:09:50.58 ID:7iy1jcu1o
……ん」
体に重みを感じて、ボクは目を開ける。目の前に広がる白い布と、豊満な胸。彼女がボクの上に圧し掛かっている、と理解するのに数秒かかった。
「ご、ごめん。重かった?」
僕が目覚めたことに気付き、素早く飛びのく彼女。あまりにも勢いよく飛びのいたので、そのまま自分の服の裾を踏んでずでんと転ぶ。
噛まれた肩をぱんぱんと払い、僕は彼女に手を伸ばす。そのまま彼女の体を抱きかかえると、真っ直ぐ立たせた。
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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/11(金) 21:10:22.46 ID:7iy1jcu1o
「……」
「……」
無言のままボクはその腕を拾うと、付いている方の彼女の手にそれをポンと渡す。
やはり先延ばしにするべきではなかったらしい。さっきまで表情豊かだった彼女が、虚ろな瞳でボクを見つめ返している。
「……少し出かけてくるね」
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8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/11(金) 21:10:48.81 ID:7iy1jcu1o
「……」
ボクは荷物を降ろすと、中身を取り出す。子供は初めてだが、大人とそう勝手が違うという事は無いだろう。予想より早く済みそうで、ボクは小さくほくそ笑んだ。
家へ戻ると、彼女は朝に見た姿そのままで立っていた。虚ろな瞳は完全に何も映さなくなっており、ボクの事にもまったく気付いていないようだが、もちろん死んでいるわけではない。その証拠に、ボクの荷物から漂う臭いに反応して指先がピクピクと動いている。
「……待っていてね、今すぐ準備するよ」
彼女にひらひらと手を振って、ボクは厨房へ進む。今日はそこまで分解に手間取らないだろうと思っていたのだが、意外と肉が硬くなってやり辛い。大きさは関係なく時間経過に問題があるのだ、とボクは変に納得しながら器を運ぶ。
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9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/11(金) 21:11:48.88 ID:7iy1jcu1o
「……あ」
 ゆっくりと彼女の瞳に光が戻り、ボクの顔をしっかりと捉えると、
「……おかえり」
 優しい表情で、彼女が微笑んだ。ボクはそんな彼女の口元から垂れた血を袖で拭い、
「……ただいま」
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/11(金) 21:12:52.86 ID:7iy1jcu1o
「今度は子供か……」
「獣の仕業にしちゃ連日過ぎるよな、やっぱ」
 近くから聞こえてきた声に、ボクは咄嗟に身を屈めた。幸いボクはあまり体格がいい方ではないので、二人の男はボクに気付かず通り過ぎる。
 先程の会話、昨日の事を言っているのは明らかだ。やはり間髪開けずにやってしまうとこうなることは分かっていた。分かってはいたが、こんなに早く足が付くなんて。
 荷物を木にもたれさせ、一息吐きながら今後について考える。このままでは、隠れ家が見つかるのも時間の問題だろう。となれば、転居も視野にいれないといけない。この辺りを気に入っていただけに、あまり気は進まないが。
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11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/11(金) 21:13:34.43 ID:7iy1jcu1o
蹴破られたドアに慎重に近づき、ボクは荷物を玄関脇に降ろすと、出来るだけ物音を立てないように中へと進む。踏み荒らされた玄関、靴跡を見るに相手は一人だ。
(……無事でいて)
 リビングが見えたところで、誰かの気配にボクは身を隠す。ドアの端から部屋を覗くと彼女の足が見えてきた。少し視線を上にずらすと、真っ赤な水溜りの上に一人の男が立っていて。
「……っ!」
 頭に血が上ったボクは、武器を手に取るのも忘れてドアの端から飛び出すと、そのまま男に向って体当たりを食らわせた。
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12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/11(金) 21:15:02.99 ID:7iy1jcu1o
「いってぇ……なんだこのガキ?」
 男は水溜りを踏みつけながら立ち上がると、そのままボクの方へと歩を進めた。受けた衝撃が大きかったのか、ボクの体は言う事をきかない。男に髪を乱暴に掴まれ、そのまま無理矢理立たされるボクの体。
「血の臭い……まさか、お前が……?」
 何とかボクの意思が体に伝わり、男の金的を狙って足を振り上げようとした。しかし、その足は男の体を捉える事はなく、ボクの体が再び宙を舞う。今度は彼女の近くにごろごろと転がり、血の水溜りの上で止まった。
「気持ち悪いガキだぜ……こんなガキが、連続殺人犯なのか?」
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13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/11(金) 21:15:33.52 ID:7iy1jcu1o
「……気持ちわりぃガキだぜ、全く」
 男が銃を懐にしまい、ボクから視線を外す。外した視線が次に捉えたのは、もちろん彼女の方。
「連れていく前に少しぐらい楽しむのは役得だよな……身なりは悪いが上玉だぜ」
 男が伸ばした手に抵抗しようとするが、女の子の力ではどうしようも無く、そのまま彼女は組み伏せられた。カチャカチャと金属の擦れる音がする。
「……」
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