過去ログ - ひよっ子魔女とその師匠
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16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/15(火) 18:39:39.82 ID:eOhLbTZvo

 それからしばらくはミナも真面目だった。
 他のもっと楽しいことに惑わされることなく魔法の訓練、つまりは探し物に専念していた。
 ……だからといってそれに結果が伴うわけでもなかったが。

以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/15(火) 18:40:11.26 ID:eOhLbTZvo

「探し物はこれじゃあない」
「なんで? きれいなのに」
「綺麗だがこれじゃない」
「お婆ちゃんはこの石嫌い?」
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/15(火) 22:01:07.83 ID:eOhLbTZvo

 その次の日もそのまた次の日も探し物は見つからなかった。
 いよいよヘレナは不安になってきた。
 この子には魔女としての資質が皆無なのではなかろうか。
 とうとう癇癪を起して探索の放棄を宣言した孫娘(「もうやだー!」)を前に、ヘレナはそんな危惧を抱いた。
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/15(火) 22:01:42.81 ID:eOhLbTZvo

 魔女は魔法という不思議を味方につける。
 なくなったものがあれば『不思議と』分かるし、見つけようと思えば『不思議と』見つかる。
 そういうものだ。それが魔女なのだ。
 だからそれができないミナは魔女ではない。と、必然的にそうなる。
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/15(火) 22:02:12.40 ID:eOhLbTZvo

 うー。ミナは目の前の憎き偏屈老婆を見上げて唸りをあげた。
 十秒ほども睨み合いが続いただろうか、ミナは最後に一声叫んでこちらに背を向けた。
「お婆ちゃんの大馬鹿モニャラミミズーッ!」

以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/07/16(水) 00:58:11.76 ID:j9ltMIbK0



22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/07/16(水) 08:47:10.65 ID:x+JjUjaN0
結局探し物はなんだっけとか思いつつ読み返した
面白かった 乙


23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/16(水) 11:33:40.83 ID:TmyX6+Eao

 さて厄介なことになった。
 ヘレナがそう思ったのはもちろんミナが出て行ったすぐ後――ではなかった。
 夕方になり窓の外がかなり暗くなってもミナが戻っていないのを確かめて、それからようやく事態の重さを認識したのだ。
 つまりミナのモニャラなんとかいう罵声から九時間近くが経っていることになる。
以下略



24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/16(水) 11:34:36.20 ID:TmyX6+Eao

 外は月の光が明るく、ランタンを持たなくても十分視界が確保できた。
 それを確かめてヘレナは邸宅の東へ歩き出した。

 背の低い草が生える原っぱの向こうに黒々とうずくまるものが見える。
以下略



25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/16(水) 11:35:21.65 ID:TmyX6+Eao

 繰り返しだがヘレナはミナと違って正真正銘の魔女だ。
 だからミナが森の中にいることは分かった。
 森の浅いところにある、彼女称するところの『秘密基地』にいるのだろう。

以下略



26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/16(水) 11:36:03.23 ID:TmyX6+Eao

 またイライラが湧いてくる。
 が、それを無視して足を進めた。
 小さな明かりは数だけは多く、まるでヘレナを導くように奥へと続いていた。

以下略



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