過去ログ - 向井拓海「The Passion――判定は許さない」
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2014/10/06(月) 19:13:19.06 ID:hGctJzQM0
視界は狭まり、航空写真はうちっ放しのコンクリートへと模様を変えた。
おっさんの虚ろな声が妙に印象的だった。
「物乞いのおっさんじゃねえか、アイツがウンエイなのか?」
以下略
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2014/10/06(月) 19:14:03.39 ID:hGctJzQM0
「エナジードリンク1本」
「はぁ!? たかが栄養剤1本じゃねーか。小銭を返して貰えばそれで済む話だ。
しかもそれは仲間の為にやった事だろ、何がわりいってんだよ」
以下略
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2014/10/06(月) 19:15:28.81 ID:hGctJzQM0
長い黒髪の毛先は茶へ染まり、耳元には光るピアス、身長は165cm。アタシよりは年下だろうがいかにも今時のKOOLな女子コーセーって奴だ。
……待て、あのねーちゃんには見覚えがある。
「彼女は渋谷凛。親孝行な花屋の娘。
彼女は彼の誘いを断わったの。そう、ただそれだけで終わる話……」
以下略
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2014/10/06(月) 19:26:29.81 ID:hGctJzQM0
◆
「全ての結末は日曜日。天気は晴れ。朝の10時。
アタシは始まりを聞いていた」
以下略
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2014/10/06(月) 19:27:08.47 ID:hGctJzQM0
アタシの人生は待つ事から始まった。アタシは何時も小学校が終わると真直ぐ家へ戻って、親父の帰りを待っていた。
付き合いの悪い人間だって事で、大抵の奴からは白い目で見られていたっけな。知ってるだろうけどよ。
だけどアタシはダチの少ない自分を孤独だと感じた事はない。
アタシにとっての孤独とは所属する場所が無いって事だ。あの頃アタシの居場所は親父のそばだった。
以下略
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2014/10/06(月) 19:27:46.61 ID:hGctJzQM0
ある時ふと思いたって、親父の机で束になってる書類を捲り見た事がある。
別に何がしたかったって訳じゃない。それを見て話がしたかった訳でもない。
ただ、親父の仕事を理解したかった。親父の事を知りたかった、きっとアタシにあったのはただそれだけだった。
以下略
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2014/10/06(月) 19:28:26.47 ID:hGctJzQM0
書類を持つ手をはたかれ、頭ごなしに叱り付けられた方がどれだけましだったか。
何時もみたいに親父にはアタシを怒鳴りつけて欲しかった。それならばアタシは納得できたってのによ。
どんなに理不尽であろうとも納得は全てに優先する。アタシはしてはいけない事をしたはずだった。
それでもあの時親父はアタシを叱らず、自分の仕事をアタシへ知らせるべきではないって判断したのさ。
以下略
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2014/10/06(月) 19:29:05.37 ID:hGctJzQM0
良くわかんねぇが親父の判断はきっと正しいのだろうさ。それはおそらくアタシが知るべき事じゃなかったのかもしれない。
かもしれないって喉に小骨が刺さったような仮定を使うのは、アタシが親父の事を良く知らないからだ。
正しくは知る事を止めたからだな。親父はアタシを自分から遠ざけようとしていた、だからアタシはそれへ従う事を決めたのさ。
以下略
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2014/10/06(月) 19:29:57.96 ID:hGctJzQM0
◆
「ふざけるなぁ! アタシが地獄へなんぞ落ちる意味がどこにある。
物乞いのおっさんは罪人なんだろ? だったら落ちるのはアイツで良いじゃねぇか」
以下略
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2014/10/06(月) 19:30:51.37 ID:hGctJzQM0
「貴女の死を弔う為、彼は大通りへと花を供えるわ。
雨の日も風の日も彼は毎日花を供えるの。そしてそれは49日間続く」
柳が口を開く。虚ろな声が妙に印象的だった。
以下略
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2014/10/06(月) 19:31:43.74 ID:hGctJzQM0
「ちくしょう、ちくしょう」
縁を繋ぐってのはそんな事かよ。
理屈では分かる、だけど感情は追いつかない。ガキみてぇにアタシは泣き続ける。
何で泣いているのか、その意味すらも分からなかった。
以下略
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