67:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 22:44:40.01 ID:sQ4l+FLzo
すると今度は何かの声が聞こえてきました、どこか聞き覚えのある様な
これは確か、私に名前を教えてくれた時の妖精さんの声
68:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 22:50:45.48 ID:sQ4l+FLzo
■
「今年の夏も父はここまで来てくれたんですよ」
私と待ち合わせをしていたこのバス停までやってきて、それからしばらくこのベンチを眺めているんです
69:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 22:52:22.49 ID:sQ4l+FLzo
「一度、自分の家に行ったことがあるんです」
誰にも見つけてもらえないのがあまりにも寂しくなって、歩いて家に帰ったんです
70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 22:54:21.88 ID:sQ4l+FLzo
「帰れない場所への迎えを待っていても、意味がないことくらいはわかってます」
父は迎えには来ず、母は私を見つけられない
71:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 22:56:04.97 ID:sQ4l+FLzo
自分でも馬鹿な話だとは思いますが、あの時見た妖精さんのことが忘れられないんです
本当に存在するのかなんてことは問題ではなくて、ただ最後の言葉が忘れられないんです
72:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 22:57:52.72 ID:sQ4l+FLzo
「話してくれてありがとうな」
軍人さんは私に笑いかけてくれます
73:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 22:59:24.14 ID:sQ4l+FLzo
肩で私の髪を引っ張る妖精さんを横目見ます
軍人さんの言う通り不思議な存在は、こうして私の近くにもいるようです
楽しそうに笑うのは構いませんがそろそろ髪が痛いです
74:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 23:01:50.16 ID:sQ4l+FLzo
その言葉に思わず顔が強張りました、それに対して軍人さんは優しい表情のまま
75:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 23:07:34.57 ID:sQ4l+FLzo
「それなら、離れたくないって言い換えれば納得してもらえますか?」
「いいや、それも君の本心じゃない」
76:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 23:08:35.92 ID:sQ4l+FLzo
「気の抜けた顔で日々を過ごす母の顔を見たことがあるんですか」
優しい母はきっと父を責めることもなかったでしょう、軽率な行動だったと私を責めることもなかったでしょう
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