過去ログ - モバP「彼女たちの屈折」
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21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/29(土) 11:56:39.51 ID:L4/wSLr5o
これは、もう、絶対、ぜったいに気づいてますよね……?
プロデューサーさん、森久保が今ここで、膝を抱えてどうしようもなくなってるのを。
それを知ってて、鼻歌聞かせてるんですか……?

プロデューサーさんの、きちく、おに、あくま……ああ、そんなこと森久保が言ったから、
以下略



22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/29(土) 11:57:41.41 ID:L4/wSLr5o
え……? プロデューサーさん、どこへ、行くんですか……?

プロデューサーさんの足が、立ち上がって、もっ、森久保の視界から外れてしまいます……。
立って、そのまま、机から、離れて……どこへ行くんですか、森久保は、ここにいるんですよ?

以下略



23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/29(土) 11:58:43.91 ID:L4/wSLr5o

「やっと自分から出てきてくれたか。嬉しいぞ、森久保」

森久保は机に頭をぶつけました。
あまり勢い良くぶつけて、目の前にちらちら星が散って、プロデューサーさんの顔に重なりました。
以下略



24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/29(土) 11:59:38.68 ID:L4/wSLr5o

●梅木音葉


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25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/29(土) 12:00:15.94 ID:L4/wSLr5o
あの人の声は、色が、感情がよく見える。

初めて交わした言葉は、緊張の赤と、うちに隠れた橙色の熱意が混ざった花火。
私が仕事を選り好みして、たしなめられたときは、警告色の鋭い黄色。
失敗を慰めてくれた時は、いつまでも包まれていたいと思ってしまう森の緑。
以下略



26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/29(土) 12:00:55.89 ID:L4/wSLr5o
あの人に、初めてその紫を見せてもらったのは、不慣れな水着での仕事の日。
前は肌を出す仕事にとても抵抗があったけれど、あの人が真剣に考えた末の提案だ、と分かったし、
他の子たちに負けていられない、なんて煽られた面もあった。

それで、幸いなことに仕事が大成功を収めたのだけど、あの人はあまり褒めてくれなかった。
以下略



27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/29(土) 12:01:33.16 ID:L4/wSLr5o

「ごめんね、音葉ちゃん。連絡が遅れちゃって。
 プロデューサーさん、ちょっと他の子の事故処理にかかってて、しばらく戻れなさそうなの」

私が、打ち合わせのために事務所に来てあの人をたずねると、ちひろさんが応対してくれた。
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28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/29(土) 12:02:07.26 ID:L4/wSLr5o


実は私のプレイヤーに、あの人の声だけが入った音声ファイルがある。
ICレコーダーでこっそり録ってしまったもの。凝った編集はしていない。
あの人の声以外の音をただオミットしただけだから、
以下略



29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/29(土) 12:02:49.52 ID:L4/wSLr5o

ヘッドホンであの人の声を聞くと、すべてが私への囁きのように思える。
声だけじゃない。吐息までが、耳を撫でる。ちりちりとかすかに光る。

耳に一番近い頭から、紫の煙に包まれていく。
以下略



30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/29(土) 12:03:23.41 ID:L4/wSLr5o

目蓋の裏に描いていたはずの、あの人の姿さえ、紫に包まれて見えなくなった。
私は、急に心細くなる。

プロデューサーさん。早く戻ってきて、私の手を握ってくれないかしら。
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