109: ◆FLVUV.9phY[saga]
2014/12/06(土) 21:25:08.31 ID:rQSpFBW+o
★
マミに蹴り飛ばされたほむらの体はざっくりと八十メートルほどノーバウンドで滞空し、地に落ちる。
110: ◆FLVUV.9phY[saga]
2014/12/06(土) 21:26:25.06 ID:rQSpFBW+o
「ほむら……、ちゃん?」
小さな声で問いかけてみるも、もちろん返答はない。
何かの間違いであってほしい、などと甘い幻想を抱きつつゆっくり、本当にゆっくりと近づいていく。
111: ◆FLVUV.9phY[saga]
2014/12/06(土) 21:27:53.11 ID:rQSpFBW+o
それなのに、だというのに、意を決して一歩踏み込む。
その瞬間、まどかの皮膚に触れる空気が変わる。
頬を撫でる風はドロリとした感触と共に得体のしれない恐怖を突き付ける。
112: ◆FLVUV.9phY[saga]
2014/12/06(土) 21:29:12.20 ID:rQSpFBW+o
涙を抑えるために噛みしめていた奥歯の奥から吐瀉物がせり上がるのを感じとり、
何とかこらえようと試みるも堪え方もよくわからずに涙と一緒に胃の中身を窪んだ路面にぶちまける。
びちゃびちゃびちゃ、と耳障りな水音を立てて対して膨れてもいない胃の中が空っぽになっていく。
113: ◆FLVUV.9phY[saga]
2014/12/06(土) 21:31:24.82 ID:rQSpFBW+o
歴代最高の資質を持った魔女見習いが舞い降りる。
114: ◆FLVUV.9phY[saga]
2014/12/06(土) 21:32:59.91 ID:rQSpFBW+o
★◎
キリカの爪がマミの体を切り裂くために振り下ろされる。
115: ◆FLVUV.9phY[saga]
2014/12/06(土) 21:34:28.83 ID:rQSpFBW+o
「さて、と。それじゃあ、さくっと砕かせてもらってもいいかしら?」
織莉子の操る全ての水晶球は、既に叩き伏せられ、砕け散っている。
最早逆転の一手は残されていない。ただ一欠けらの水晶の破片が手のひらの中に突き刺さっているのみである。
116: ◆FLVUV.9phY[saga]
2014/12/06(土) 21:35:49.67 ID:rQSpFBW+o
★
「御機嫌よう、お久しぶりね。えぇと、まどかちゃん?」
117: ◆FLVUV.9phY[saga]
2014/12/06(土) 21:37:06.50 ID:rQSpFBW+o
弓鳴りが静寂を塗りたくる。
桃色の閃光がマミを射抜くために噴き出した。
マミは紙一重で体を翻して直撃を避ける。
118: ◆FLVUV.9phY[saga]
2014/12/06(土) 21:39:13.37 ID:rQSpFBW+o
(ほむらちゃんの言っていた意味って、こういうことだったんだね……)
極端な話をしてしまえば今のまどかには目に映る気に入らないもの全てを破壊してしまえる力がある。
それは恐ろしいことだ。
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