過去ログ - 紬「真夜中のいちご」
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1:けいおんSS[saga]
2015/01/14(水) 20:59:08.94 ID:sdjP5j9j0
第0話「白熱灯は、寿命が短いらしいよ」


「大丈夫?」

「うん、大丈夫…」

「埃が入ったのか?」

「うん、大丈夫…」

「あんまり目を擦るのはよくないんだぞ」

「うん、大丈夫…」

「無理するなよ」

「うん、大丈夫…」

ごしごしと目をこすり、ぎゅっぎゅっと強く目を瞑ると少し涙が出た。
埃もいっしょに、流れたかしら。
ぱちぱちと軽く瞬きをして、もう大丈夫なのを確かめるようにして、

瞳を開いた。


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2:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:00:22.22 ID:sdjP5j9j0

目の前で電灯がぶらぶらと揺れている。

「目薬、いる?」

以下略



3:名無しNIPPER[sage]
2015/01/14(水) 21:01:03.32 ID:7i2IOoyRO
期待


4:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:01:18.15 ID:sdjP5j9j0

人口の光じゃ 真昼の太陽の光には かなわない




5:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:02:04.05 ID:sdjP5j9j0

それでもわたしたちの部屋を照らす新しい光が嬉しくて、わたしはひとりで笑った。
大丈夫。もうすぐ日が沈んで夜がくる。
今はなくてもいい灯りも、夜になれば、必要になる。

以下略



6:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:03:01.87 ID:sdjP5j9j0
第1話「見知らぬ天井」


ゆっくりと目を開いた先には見覚えのない景色が広がっていた。
ああ、そうだ。今日は部室に泊まったんだった、と気がつくまで10秒くらい時間がかかった。
以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:03:32.27 ID:sdjP5j9j0
振り向くと澪ちゃんが寝袋ごと上半身だけ起き上がってこっちを見ている。

「ごめん、起こしちゃった?」

「ううん。わたしもちょっと前から目が覚めちゃってたんだ。
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:04:04.17 ID:sdjP5j9j0

みんなを起こさないようにそろりそろりと、抜き足差し足、ドロボウのように歩みを進めてようやく扉までたどり着いた。
すぅすぅと気持ちよさそうな寝息が聞こえる。みんな変わらず気持ちよさそうに寝てる。

ゆっくり、じっくりと、ノブをひねって扉を開く。
以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:04:42.56 ID:sdjP5j9j0


ガ 
    チャ 
     ン 
以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:05:12.93 ID:sdjP5j9j0
部室の扉を開けたり閉めたりするのに、こんなに気をつかったのなんてはじめて。
ハァ〜〜〜とふたりでため息をついて、顔を見合わせた。
思わず吹き出しそうになるけれど、グッと堪える。
大分暗闇に目が慣れて、相手の表情もきちんとわかる。

以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:05:39.88 ID:sdjP5j9j0

「なぁ…ムギ」

「なぁに」

以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:06:39.59 ID:sdjP5j9j0

音楽室のあるのは校舎の3階。トイレがあるのは1階。
怖がりの澪ちゃんじゃなくたって、真っ暗な夜の学校を歩いてそこまでいくのは怖いと思う。

歩くたびにギィギィと音を鳴らす古い校舎の床。
以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:07:27.15 ID:sdjP5j9j0

「澪ちゃん」

「…な、なに」

以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:08:08.37 ID:sdjP5j9j0
「ほら。バイトで特訓してくれたしさ。それにロミジュリの脚本はムギだろ。
 舞台が好評だったとしたら、それは脚本がよかったってことじゃないのか」

「…そんなことないよ。わたしなんて大したことしてないから」

以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:09:08.60 ID:sdjP5j9j0

「まぁ…とにかくうまくいってよかったよ。最初はどうなることかと思ったし」

澪ちゃんは心から安堵したように大きくため息をついてしみじみと言った。

以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:09:42.95 ID:sdjP5j9j0

りっちゃんの話になると途端に声が元気になった。
りっちゃんすごいなぁ。この場にいなくても澪ちゃんのこと、元気にしちゃうんだから。



17:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:10:10.49 ID:sdjP5j9j0

「ほら、りっちゃんって女の子っぽくてかわいいし」

「ん〜、まぁそれはそういうところがないわけじゃないけど…」

以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:10:46.12 ID:sdjP5j9j0

「ムギかな」



19:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:11:30.32 ID:sdjP5j9j0

…わたし?…わたし?

「うん。だって本物のお嬢様だし。美人だし、上品だし。お姫様みたいで。
 ぴったりだと思うぞ」
以下略



20:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:12:09.35 ID:sdjP5j9j0

「トイレ、着いたよ」

「あ、なんだか早かったな」

以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:12:46.20 ID:sdjP5j9j0

帰り道は行きよりも怖さが薄れた気がする。
きっと一度通った道だからだ。

「ねぇ澪ちゃん」
以下略



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