31:魔法をかけて
2015/02/06(金) 14:24:26.75 ID:Bh2xirDv0
事務所までの道のりはバスで二駅のところにあるが、給料日前の私にはそのお金すらも惜しいものに感じた。
お金がないわけではないが節約に越したことはない。
伊織「だからって二駅歩くのはしんどいわね…」
32:魔法をかけて
2015/02/06(金) 14:25:05.99 ID:Bh2xirDv0
今の私には送り迎えをするリムジンも朝食のビュッフェも執事の新堂もいなかった。
私は水瀬を捨て、一人のアイドルとして新たな生活を始めた。
それが765プロを辞めた私の変化だった。
33:魔法をかけて
2015/02/06(金) 14:25:33.14 ID:Bh2xirDv0
尾崎p「おお、伊織か。おはよう」
彼女はこの事務所の唯一のプロデューサー。
美人でスタイルもいいが…
伊織「プロデューサーとしての実力は三流よね」
34:魔法をかけて
2015/02/06(金) 14:26:03.15 ID:Bh2xirDv0
961プロに潰される前の快進撃はきっと彼がみんなに渡した曲のおかげだろう。
仕事もあいつが考えて回してくれて、私たちは全力で取り組むことができた。それなのに今は…
尾崎p「伊織!今日は雑誌の写真撮影な。あんたは稼ぎ頭だから頼むよ」
35:魔法をかけて
2015/02/06(金) 14:26:33.17 ID:Bh2xirDv0
自分で入れたお茶が勢いでこぼれそうになり、慌ててそれを防ぐ。
伊織「あんたまた変な奴連れてきたの?この前のやつのこと忘れたの?」
ただでさえ金のない事務所にこれ以上人が増えては倒産も有り得てしまう。第一満足に給料も払えないこの事務所に毎度毎度どこの物好きが来るのだろうか。
36:魔法をかけて
2015/02/06(金) 14:27:00.63 ID:Bh2xirDv0
尾崎p「いや、今回は本当にすごいんだ!元961プロのトップアイドルなんだぞ」
伊織「え!?」
その瞬間に背筋に冷たいものを感じた。
それは朝から感じている冬の寒さとは別のもの、嫌な予感がする。
37:魔法をかけて
2015/02/06(金) 14:27:28.32 ID:Bh2xirDv0
事務所の扉が鈍い音を立てながら開かれる。
尾崎p「お、話をすれば来たみたいだな」
その女は悪びれることもなく、気品とした振る舞いで私に最高の笑顔で言った。
貴音「御機嫌よう、伊織」
38:魔法をかけて
2015/02/06(金) 14:28:02.25 ID:Bh2xirDv0
続きは夜にまた投稿します。
よろしくお願いします。
39:名無しNIPPER[sage]
2015/02/06(金) 14:31:50.18 ID:N8tXKP5DO
961は卑怯な汚い手を使うのは基本の中で基本だしな。
40:魔法をかけて
2015/02/06(金) 17:52:33.86 ID:Bh2xirDv0
―――某スタジオ――――
伊織「仕事に行くのはわかるけど、どうしてこいつも一緒なのよ!」
中古の事務所の車から降りながら私は尾崎pに愚痴り続ける。隣には貴音がいたが移動中もずっと文句を言っていた。
41:魔法をかけて
2015/02/06(金) 17:54:10.72 ID:Bh2xirDv0
カメラマン「はい、ありがとうございました」
私の心配とは裏腹に仕事の方はスムーズに終わった。
問題があったとすれば執拗に貴音がこちらを見ていたことだろう。
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