過去ログ - 櫻子「めぐみの雨と、恋で咲く花」
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22:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:38:12.98 ID:JxUSEnW0o
「櫻子ちゃんは知らなかったと思うけど……付き合ってたの。私たち」
「付き合ってた……?」
23:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:38:40.82 ID:JxUSEnW0o
「……って、私も……」
「な、なに?」
24:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:39:12.56 ID:JxUSEnW0o
「……あ、ああごめん。それで?」
「それで……」
25:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:39:55.46 ID:JxUSEnW0o
そんなことは私にとってどうでもよかった。誰と何人と付き合っていようが、撫子を嫌いになる原因にはまったくなり得ない。むしろそうやって培われた部分も含めての大人っぽい撫子が、私は好きだったのかもしれない。
けれどもし撫子にとって私が初めての彼女でなかった場合、撫子にとっての彼女というものは、きっと私が考えてるもの以上に……軽い。
26:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:40:27.96 ID:JxUSEnW0o
「本当はね……私の気持ちを受け止めてくれるだけでもありがたかった。だって、こんな恋は普通叶わないもの」
「高校生活を通して、撫子は私に夢を見させてくれた。本当に最高の毎日だった。最高の彼女に出会えたこと、最高の人の彼女になれたこと、今でも忘れられない」
27:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:41:07.59 ID:JxUSEnW0o
「さっきの桜の下が……別れたところなの。だから……櫻子ちゃんが来てびっくりしちゃって……櫻子ちゃんが撫子に見えて、止まらなくなっちゃって……」
「…………」
28:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:41:39.22 ID:JxUSEnW0o
「ずるいんだよ……撫子ねーちゃんは。家でもそうだと思ったけど、外でもそうなんだ……ずるい、本当にずるい」
「自分がいつもきゃーきゃー言われて、勉強もなんでも上手にできるからって……周りの人のこと、知らないうちに振り回してる。いつも私たちより何段も上から見下ろしてきて」
29:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:42:17.07 ID:JxUSEnW0o
くるくると面白いウェーブのかかった櫻子の髪を、怒りを鎮めるようにしてしばらく撫でていると、今度は対照的に悲しみに満ちた声で私に話してきた。
「めぐみねーちゃんはどうしたいの……? このままでいいの?」
30:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:42:43.64 ID:JxUSEnW0o
「新しい世界に向かうために、撫子は関係を切った……」
「つまり撫子にとって私は、そこまでの彼女だったってことなんだよ……」
31:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:43:18.55 ID:JxUSEnW0o
「……何言ってんの」
「痛っ……?」
32:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:43:49.45 ID:JxUSEnW0o
撫子は自分のことをどう思っているのか。確かにずっと一緒だったのに、れっきとしたお付き合いをしていたのに、私は今の撫子の気持ちがわからない。
私たちの関係は、そこまでのものだったのか?
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