過去ログ - 櫻子「めぐみの雨と、恋で咲く花」
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12:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:32:03.32 ID:JxUSEnW0o
(……わかってる)
答えを探りに来たものの、その答えはとうにわかっているのだった。
13:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:32:56.20 ID:JxUSEnW0o
付き合い出したあの日から、キスで別れた最後まで、撫子は私のために動いてくれていた。
一緒に歩んだ、最高の日々。そんな日々にキスでピリオドを打って、新しい系譜が描けるようにしてくれたのだろう。
14:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:34:06.96 ID:JxUSEnW0o
メールを送れば、返ってこないわけではないのだ。時間はかかるが、短い文だが、ちゃんと返してくれる。
けれど、付き合っていたころとはまるで違う、飾り気のないシンプルなメールを見ることが悲しくて、
メールを続けようとする意思がないことを感じてしまえる文章、それを撫子に送らせてしまっていることが嫌で、
15:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:34:41.23 ID:JxUSEnW0o
このまま撫子からの感情のないメールを見てしまったら、いよいよ涙は止まらなくなってしまうだろう。諦めて携帯をロックし、ポケットにしまい、泣いていることをごまかすように空を見上げた。
本当に雨が降ってくれればいい。
16:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:35:08.52 ID:JxUSEnW0o
「あ、やっぱりめぐみねーちゃんだ!」
「…………」
17:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:35:48.26 ID:JxUSEnW0o
「な、泣いてるの……!? 何かあったの?」
「ん、いや……違くて……!」
18:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:36:16.71 ID:JxUSEnW0o
〜
「本当はこういうときは喫茶店とかの方がいいのかもしれないけど……私まだ中二だし、お金もあんまり持ってなくて。だからごめんなさいなんだけど」
19:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:36:45.67 ID:JxUSEnW0o
みんなと遊ぶときでなくとも、撫子と付き合う中でよく来たものだ。ここは、私たちが二人きりになれる限られた貴重な空間だった。
付き合いだした当初は「うちは妹とかその友達がたくさんいるから、私がめぐみの家に行くよ」とあまり誘ってもらえなかったのだが、時間が経つにつれてだんだん寛容になり、次第に「私の家に来てほしい」とも言うようになっていった。
20:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:37:13.99 ID:JxUSEnW0o
「ちょーっとだけ片づけるから、ベッドで座って待ってて?」
櫻子の部屋はちょーっとではなく、そこそこちらかっていた。読んだら読みっぱなし、脱いだら脱ぎっぱなしという痕跡が見受けられる。
21:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:37:45.82 ID:JxUSEnW0o
「……ねーちゃんと、何かあったの?」
「…………」
「あ、いや、言いづらいならいいんだけど……あんなに泣いてるとこ初めて見たからさ。なんか……どうしたのかなって」
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