過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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◆PupFZ5BZvyzZ
[sage saga]
2016/02/03(水) 22:00:05.98 ID:12lMyB4a0
プロローグ
その朝イツキは、高層ビル建設現場鉄骨の上から地上を見下ろしていた。視線の先、数キロメートル遠方には舗装された大噴水広場。そして、戦うヒーロー。
朱色のヒーローはアケグチの高速スピンに弾かれ、空高く巻き上げられた。黒い方が発砲。アケグチ回転体から血とは異なる色の液体が迸るがダメージ軽微。
以下略
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◆PupFZ5BZvyzZ
[sage saga]
2016/02/03(水) 22:02:11.25 ID:12lMyB4a0
彼女の目的、それは人間界で武者修行しているはずの王子シャキョウを見つけ出し、獣人界へ連れ帰ることだ。
王子が六戦士と決闘し、六つの首級を以て正当後継者の力を知らしめる。真に力を持つ者を知れば、六戦士の配下達も再び王家に忠誠を誓うだろう。
……だが、この策はイツキが人間界の地を踏んだ翌日には頓挫していた。何の当てもなく一人の獣人を探すには、人間界は広すぎたのだ。
否、失望するには早い。やるべきことは一つではない。センジン王が度々口にしていた旧き友、エボニーレオへの協力要請。
以下略
693
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◆PupFZ5BZvyzZ
[sage saga]
2016/02/03(水) 22:05:26.32 ID:12lMyB4a0
#1
正面から迫る死は、軽自動車にも匹敵する巨大な甲羅の形をしていた。エボニーコロモは少々不格好に転がり、死神の手を逃れる。
甲羅が通り過ぎる瞬間こそ、カウンター至近距離攻撃のチャンス……否、時速200kmの高速を誇る巨体は、移動に伴い強力な風圧を発生させる。
以下略
694
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◆PupFZ5BZvyzZ
[sage saga]
2016/02/03(水) 22:06:56.48 ID:H+PnEL/o0
エボニーコロモは最早その場を動かぬ。コンマ五秒後、大質量が衝突! ……おお、見よ! エボニーコロモ健在! 巨大甲羅をガッチリと受け止めている!
「ヌウーッ……」
以下略
695
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◆PupFZ5BZvyzZ
[sage saga]
2016/02/03(水) 22:10:59.99 ID:OdbudYhc0
「プロデューサー、トドメは?」
不定形の人型から削り出されたような右半身、少女めいてあどけない顔が問うた。エボニーコロモの顔面ディスプレイにオレンジ色の髑髏マーク……キルサインだ。
放送コード上、人型ヴィランの処分には面倒な制約が多い。身体の大部分を機械化された敵の場合、ゴアが映り込まなければ電波に乗せることができる。
以下略
696
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◆PupFZ5BZvyzZ
[sage saga]
2016/02/03(水) 22:12:53.70 ID:H+PnEL/o0
「プロデューサー、大丈夫? けっこう無茶してたみたいだけど」
「ひとまずは、な。筋肉痛が長引かないよう願うばかりだ」
以下略
697
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◆PupFZ5BZvyzZ
[sage saga]
2016/02/03(水) 22:15:49.83 ID:12lMyB4a0
エンブレムの正体、それは可愛らしい子犬ではない。キツネの死骸を奪い合うように貪り食らう、おぞましき双頭の狂犬である。オルトロス機関。
ツインパピー・エレクトロニクスは、表向きにはルナール社と提携関係にあり、サイボーグやドロイド制御用の電子基板を製造・供給している。
だが、その裏の顔こそは反ルナール組合の盟主、神出鬼没たるオルトロス機関であり、時折こうしたルナールへの武力攻撃を行っているのだ。
以下略
698
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◆PupFZ5BZvyzZ
[sage saga]
2016/02/03(水) 22:18:18.70 ID:OdbudYhc0
……その時だ。フォウフォウと奇怪なキネシス干渉音を従え、VTOLめいて降下してくる物体あり。クジラかカツオブシを思わせるシルエットの輸送ツェッペリンだ。
「ウンパンマンか。あのサイズを寄越すのは、要するに残骸も持って帰れってことだよな?」
以下略
699
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◆PupFZ5BZvyzZ
[sage saga]
2016/02/03(水) 22:21:08.86 ID:OdbudYhc0
カエン索敵視界には、寄せ木細工めいて入り組んだ透明感のある赤と黄、そして黒ずんだ濃い桃色が映し出されていた。即ちヒーローと、色欲のカースドヒューマン。
次の瞬間、ヒーロー色が桃色に覆われて見えなくなり、洋子は己の判断が間違っていなかったことを知った。
カエン視界を朱色のジャベリンが無数に飛び去っていく。洋子自身もヒーロー脚力をフルに発揮し、投槍の群れを追って色の元へと向かった。
以下略
700
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◆PupFZ5BZvyzZ
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2016/02/03(水) 22:23:57.54 ID:H+PnEL/o0
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アケグチの最期を見届け、イツキは腰に提げたヒョウタンの中身で口を潤した。良質なアルコールと薬効成分がケミカル反応を起こし、思考を加速させる。
賊軍は王軍を数で上回り、王城にまで迫りながらも攻めきれなかった。六戦士の各々が自ら王にならんと望み、互いに連携しなかったことが理由に挙げられよう。
だが、先の戦いが真の理由を明らかにした。焼かれて死んだアケグチと、飛行機の中から死臭を放っていたトホツグ。いずれも六戦士のツワモノであった。
以下略
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