過去ログ - 梓「憂、もう帰ろ?」憂「…………」
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1:けいおんSS[sage saga]
2015/04/05(日) 00:00:36.17 ID:A/teO6r30
けいおんSSです。

唯憂梓 です。

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2:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:01:31.35 ID:A/teO6r30
-winter side-

ひらひらと花びらみたいに落ちてくる雪が頬に触れた。

止めていた息を一挙に吐き出し、瞼を開く。
以下略



3:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:02:21.87 ID:A/teO6r30

数年ぶりに訪れた母校。
雪化粧をまとった校舎や校庭は、記憶の中のものとまったく違うもののように思える。

校舎に植えられた桜の木って、あんなに大きかったっけ。
以下略



4:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:03:00.43 ID:A/teO6r30

『おぉ〜い』

首だけひょいと向きを変え、声がした方を振り向く。こちらに向かって手を振りながら歩いてくる人影が見えた。わたしはむっくりと立ち上がり、全身についた雪をパンパンと振り払った。
それからわたしも同じように軽く手を挙げて、くちびるの端をあげてみる。…たぶんこの距離じゃ、表情なんてわかりはしないだろうけれど。
以下略



5:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:03:53.17 ID:A/teO6r30

『ありがとね、心配してくれて。でも大丈夫。さすがにもう寒いしやめとくよ。
 体調管理にだって気をつけてるんだよ?みかんも毎日食べてるし』

『ならいいんですけど。風邪をバカにしちゃダメですよ。こじらせたら肺炎になることもあるんですから。肺炎をこじらせたら…』
以下略



6:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:04:31.59 ID:A/teO6r30

『雪、止みそうですね。今のうちに急ぎましょう』

『…雪、積もってるから危なくない?山道でしょ』

以下略



7:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:05:02.34 ID:A/teO6r30

わたしを見つめるふたつの瞳。
感情は読み取れない。怒っているようにも悲しんでいるようにもとれた。

無言の力に押されて、わたしは頷いた。
以下略



8:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:06:00.46 ID:A/teO6r30



-summer side-

以下略



9:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:07:10.94 ID:A/teO6r30

「おはよう…具合、まだあんまりよくなさそうだね」

自分より早く起きて着替えも済ませている姉を見て、少し申し訳ない気持ちになる。

以下略



10:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:08:28.44 ID:A/teO6r30

「つらそうだね…」

唯が運んできてくれた果汁100%のオレンジジュースと、
カバに似たなんの動物かわからないキャラクターの描かれたガラスのコップ。
以下略



11:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:09:38.35 ID:A/teO6r30

「顔が赤いよ。今日は病院行こうね。車出すから」

「大丈夫。病院ならひとりで行けるから…」

以下略



12:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:10:38.53 ID:A/teO6r30

「お昼前にはあずにゃん来るから。そしたら一緒に出かけよう」

「…あ、そっか。梓ちゃん来るんだ」

以下略



13:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:11:16.59 ID:A/teO6r30

唯がパカッとケータイを開き、手早くメールを打ちはじめる。
梓にメールを送っているんだろう。
絵文字や顔文字、いろいろ工夫して可愛くしようとしているうちに、うっかり途中送信してしまう。

以下略



14:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:13:17.59 ID:A/teO6r30


ぶるぶる。

あずにゃんのカバンの中から、ケータイのバイブ音が響いているのが聞こえた。
以下略



15:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:14:35.56 ID:A/teO6r30

あの後、雪はまた勢いよく降り出して、結局山の上には登れなかった。
登らなかった、かな。

『ほら、雪また降ってきたよ。止めとこうよ。滑って転んだら危ないよ』わたしがそう言うと、あずにゃんは立ち止まった。肩に雪がかかってる。そのまま振り向かずに言った。
以下略



16:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:15:12.12 ID:A/teO6r30


『雪、マシになってきましたね』

これなら登れましたね、とあずにゃんは言わなかった。
以下略



17:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:16:26.11 ID:A/teO6r30


『あんな店…あったっけ』

『さぁ…どうだったでしょう』
以下略



18:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:17:00.60 ID:A/teO6r30

あずにゃんとは今でもよくメールする。
わたしがメールすると、いつでもすぐに返事が来る。
わたしもすぐに返事をする。返事が来る。返事、返事、返事、…。
そうやっていつまでもメールが終わらない。
以下略



19:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:17:56.40 ID:A/teO6r30

『何鍋にしようか?』

『鍋…っていうのは決定してるんですか…』

以下略



20:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:19:04.54 ID:A/teO6r30



ピンポーン。

以下略



21:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:19:48.39 ID:A/teO6r30

「いらっしゃい、梓ちゃん」

「おはよ。おじゃましてます…憂、具合はどう?」

以下略



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