3:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/23(土) 08:11:36.13 ID:MfcNSvx0o
陽も半分以上落ち、生徒会室は急に暗くなる。薄ら寒い身体を椅子に落ち着け、小さく息をついた。
一体いつになったら来るのだろう……。
4:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/23(土) 08:12:11.69 ID:MfcNSvx0o
〜
先生の自転車の側で、壁を背に涼風を避けながら待っていた。
5:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/23(土) 08:12:56.97 ID:MfcNSvx0o
「ど、どうしたんだこんな時間まで……メール見なかったのか?」
「…………」
6:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/23(土) 08:13:30.47 ID:MfcNSvx0o
〜
「なるほど……確かにここの所、忙しくて松本に会えなかったよなぁ」
7:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/23(土) 08:14:00.21 ID:MfcNSvx0o
ああ、今日はずっとこの顔が見たかったんだ。
確かに私は前が見えなくなっていたかもしれない。先の見えない未来のことを心配し、今日この日、先生に会えなければ全てが終わってしまいそうな気さえしていた。
8:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/23(土) 08:14:35.96 ID:MfcNSvx0o
仕切りなおすように手をたたき、おもむろに立ち上がった。向こうの方でお茶でも淹れてくるのかな……と思っていたら、新聞紙と鋏を持ってきた。
床に新聞を数枚広げて、真ん中に小さな椅子を置く。
9:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/23(土) 08:15:05.17 ID:MfcNSvx0o
「……なあ松本、確かに私たちがこれからどうなるのかは誰にもわからないよ。松本がどうなっていくか……どんな人と出会っていくか」
「その時間の中で、私たちの距離が離れてしまうことは……避けられないだろうな」
10:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/23(土) 08:15:34.95 ID:MfcNSvx0o
「実験薬の副作用とはいえ、前髪が早く伸びるようになってしまったから、こうして私が切りそろえているだろう?」
「今後もずっと、髪は伸びていく。薬なんて使わなくてもな」
11:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/23(土) 08:16:07.43 ID:MfcNSvx0o
「そうやって、これからも定期的に会おうじゃないか……ふふ、単純だろ?」
「すまんな松本……いろいろ考えたんだが、こんな手段しか思いつかなかったよ。最初はタイムマシンでも作ろうかと思ったんだが、これが予想外に難しくてな……?」
12:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/23(土) 08:16:43.11 ID:MfcNSvx0o
「なあに、いつかは松本も大人になって、自分の意思で自由になんでもできるようになる時が来るだろう」
「だからそれまでの間……この魔法に協力してくれるか?」
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