422:名無しNIPPER[sage saga]
2015/12/13(日) 01:23:02.16 ID:ftiT5yXu0
それにしても卯月ちゃんの反応がない。ちらりと彼女を見てみたが、俯いたままでこちらの会話に入ってこようとしない。
卯月ちゃんの事をよく知ってるわけではないし、こういう時もあるのかもしれないが……やはり様子がおかしいと感じる。
423:名無しNIPPER[sage saga]
2015/12/13(日) 01:24:18.86 ID:ftiT5yXu0
「……その、少し、文月殿が妹に似ていたものですから。思い出してしまいまして」
これなら文月ちゃんへの『嫌な予感』を刺激することはないだろう。
424:名無しNIPPER[sage saga]
2015/12/13(日) 01:25:49.58 ID:ftiT5yXu0
卯月「うーちゃんがばんとーさんが直した艦装をつかうとばんとーさんうれしい?」
ぽつりと零すような卯月ちゃんの言葉に頭の中にハテナが浮かぶ。口に出すには唐突すぎるし、悩んだ様子で言うセリフでも場面でもない筈だ。
425:名無しNIPPER[sage saga]
2015/12/13(日) 01:27:51.66 ID:ftiT5yXu0
僕の答えに卯月ちゃんはガクリと頭をうなだれさせ、呆然としている。まるで何か拒絶され、ショックを受けているかのように。
その様子が気になるけど、今は卯月ちゃんに質問する方が先だ。そうすれば今の彼女の思いも解るはずだろうから。
426:名無しNIPPER[sage saga]
2015/12/13(日) 01:28:40.83 ID:ftiT5yXu0
僕の呼びかけに卯月ちゃんは恐る恐ると顔を上げ、不安に揺れる瞳で僕を見た。
それに答えるように僕は優しく微笑んで見せる。
427:名無しNIPPER[sage saga]
2015/12/13(日) 01:31:39.06 ID:ftiT5yXu0
「助けに行きたい方がいらっしゃるのですね」
僕の言葉に卯月ちゃんは拳を握りしめて小さく頷き、ぽつりと言葉を零した。
428:名無しNIPPER[sage saga]
2015/12/13(日) 01:33:27.52 ID:ftiT5yXu0
「恐らく、疲労のほかに提督より貴女を失いたくないという様な理由を聞いた筈です。それは私も同じです。だから提督に進言する事はありません。……ここまで言われて、何故なのですか?」
僕の質問に卯月ちゃんはまさに鬼気迫った表情で僕の顔を見返してきた。
429:名無しNIPPER[sage saga]
2015/12/13(日) 01:34:55.24 ID:ftiT5yXu0
「友達、とは?」
卯月「……や、よちゃん……」
430:名無しNIPPER[sage saga]
2015/12/13(日) 01:38:10.60 ID:ftiT5yXu0
「どうして……そう思うのですか」
卯月「だ、だって!あいつ、思い出、ないもん!卯月たちとここで過ごした思い出ないもん!それにてーとくから貰ったペンダントだって!」
「それだけで、そう思うんですか」
431:名無しNIPPER[sage saga]
2015/12/13(日) 01:41:29.83 ID:ftiT5yXu0
「……本当は、違うんですよね。……怖いんだ。今の弥生殿を認めてしまう事で、二人の思い出がなくなってしまうことが」
卯月「ち、ちが……」
432:名無しNIPPER[sage saga]
2015/12/13(日) 01:43:55.16 ID:ftiT5yXu0
「……もう一度聞きます。卯月殿、貴女はどうしたいのですか。どうするべきではなく、貴女がやりたい事を教えて下さい」
卯月「……卯月は……卯月、は……」
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