592: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/20(日) 00:23:26.83 ID:a5KsSFBDO
相当な豪傑のようだが、特に驚きもしない。混乱も無かった。
三度の突きをくぐり抜け、横薙ぎに払われた槍を跳んでかわす。既にこちらの間合いだった。
593: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/20(日) 00:25:12.44 ID:a5KsSFBDO
距離は五〇〇メートルほど。目標はとっくに射程の外だったが、それは一般人から見た場合の話だ。自らには適用されない事を知っている。
弓がしなり、弦が軋む。風は強いが、いかほどの事でもない。吹くなら吹くで、利用するだけの話だ。
594: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/20(日) 00:27:13.04 ID:a5KsSFBDO
「────!」
ライは目を覚ますと同時に飛び起きた。覚醒した瞬間には夢だという事に気づいていたので、驚きはなかった。ただ、体中が汗でびっしょりだった。
595: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/20(日) 00:29:39.30 ID:a5KsSFBDO
ひどく喉が渇いていた。頭も痛い。動悸もいつになく激しい。鳥肌が治まらない。神経が過敏になっているせいか、どうしようもなく暴れ出したくなる。
水を飲もう。そうすれば落ち着くはずだ。
596: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/20(日) 00:31:32.57 ID:a5KsSFBDO
(満月の夜、公園で待っている)
「っ! おい──」
597: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/20(日) 00:33:40.89 ID:a5KsSFBDO
自室に戻り、てきぱきと準備をする。今日使うであろう教材と筆記用具を総点検。異常無し。丁寧に鞄へ入れてから再度洗顔をして、窓などの戸締まりを終えて部屋を出る。施錠も念入りにチェックした。
朝食は──いいだろう。食べなくとも、どうせバレないに決まっている。それよりも放課後に<特派>へ行くとなれば、スザクの分の授業を受け、生徒会の仕事もこなしておかなければならない。体調管理は二の次だ。
598: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/20(日) 00:36:18.82 ID:a5KsSFBDO
しかし、結局は男と女。性別という絶対的な違いがある。体格差は歴然で、力任せに振りほどくのは容易い。必要となれば幾つかの関節も外せるだろう。そうすれば、逆襲することも出来る。
(……どうするかな)
599: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/20(日) 00:38:20.13 ID:a5KsSFBDO
ロイドに渡した報告書にはカレンの事も記載していた。だが彼女はあくまでボランティア活動の一環でゲットーを訪れていただけであり、そこで顔見知りの自分と偶然行動を共にして事件に巻き込まれたとだけ書いていた。
世話係主任の仕事は彼女の善意によって行われているのだから、ボランティア云々についてはあながち嘘とも言い切れない。
600: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/20(日) 00:39:28.82 ID:a5KsSFBDO
「結果は……どうなったの? あなたがここにいるって事は、少なくとも即拘束ってわけじゃないのよね?」
「ああ。なにせ証拠が無いからな。罪に問われる可能性は低いそうだ」
601: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/20(日) 00:41:18.87 ID:a5KsSFBDO
「相談しようとしたぞ」
「嘘。昨日一日、私と一言も話さなかったじゃない」
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