6: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 21:38:51.77 ID:7IXBXgnJ0
ものの1分ほどでガラリと扉が開けられ、きょろきょろと周りを見ながらパタパタとした
足取りで教室から由比ヶ浜が出てきた。
待っていたこちらと目が合うと、花が咲いたような笑顔でこちらに近づいてくる。
7: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 21:41:27.81 ID:7IXBXgnJ0
「今日は依頼くるかな?」
右隣を歩く彼女がこちらを少し覗きこむように、身長差のせいもあり上目遣い気味に話しかけてくる。
「さあな。来ない方がいいんじゃねえの?」
8: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 21:43:54.91 ID:7IXBXgnJ0
「こんにちは」
「うす」
雪ノ下と短い挨拶を交わし定位置の、彼女の対角線上に置かれた椅子に腰かける。
9: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 21:47:05.18 ID:7IXBXgnJ0
つーか、ゆるゆりしてるところ悪いが俺もいるんだけど。
完全においてけぼりにされているが、よく考えずともいつも通りのことなので
俺もいつものように鞄から文庫本を取り出し挟んでいた栞を抜く。
10: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 21:48:27.13 ID:7IXBXgnJ0
「由比ヶ浜。どうでも良いけどふいんきじゃなくて、ふんいきな。ふ・ん・い・き」
「へっ?あっべ、べつに間違ったわけじゃないし! それに意味は通じてるからオッケーだもん!」
「由比ヶ浜さん。正しい日本語を覚えましょう?」
11: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 21:51:03.33 ID:7IXBXgnJ0
バレンタイン。
2月14日に女性が親愛の情をこめて男性にチョコレートを贈る、というのが一般的だろうか。
現在は義理チョコ、友チョコなどと範囲は広がり、今では男性から女性に贈る逆チョコなんてものもあるらしい。
日本国内の年間のチョコ消費量の2割がバレンタイン近辺に集中することから、各製菓会社が義理チョコや友チョコ、逆チョコといった
12: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 21:53:44.24 ID:7IXBXgnJ0
とは言ってもだな……。俺も雪ノ下も多弁な方ではないから、基本的に話を振られて会話をするタイプだ。
それに加えて話題はバレンタイン。そんなリア充イベントに縁があると思うか?いや、ない!(反語)
その事に関しては雪ノ下も同様だろう。彼女の優れた容姿に魅せられた異性から好意を寄せられはしても
雪ノ下が誰かに好意を寄せるところはまったく想像ができない。
13: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 21:55:22.56 ID:7IXBXgnJ0
「ゆきのんは毎年バレンタインは誰かにプレゼントとかするの?」
「そうね……昔は家族にしていたけれど、最近は特にないわ。毎年クラスメイトの女子からいただいてばかりね」
「女の子から貰うんだー。ゆきのんモテモテだね! あたしもチョコあげるからね!」
14: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 21:57:22.97 ID:7IXBXgnJ0
「今年は……誰かにあげるの?」
由比ヶ浜が少しおずおずした、様子を窺うような調子で尋ねる。
相手の出方をみるような、自信のない事柄に対する確認作業のような、そんな口ぶりに聞こえた。
15: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 22:00:16.96 ID:7IXBXgnJ0
「ひとつだな」
「え、ウソ! もらったの!? 誰に!?」
答えた瞬間由比ヶ浜は驚愕の表情を浮かべ、その向こうの雪ノ下の肩がピクリと跳ねた後に
16: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 22:02:23.06 ID:7IXBXgnJ0
「まぁよくある話だ。中学の時にバレンタインデーの放課後、誰もいない教室に呼び出されたんだよ。
そこでクラスメイトの女子からチョコを貰ったってだけだ」
「ほえー……。そこで告白されたとか?」
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