過去ログ - 律子「待ちくたびれたプロデューサーへ」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2015/06/23(火) 02:11:34.76 ID:O6N65gcso
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ステージ衣装を着ると、まさに身が引き締まる。
身体のラインを綺麗に見せるために、少しタイトに作ってあるせいかもしれない。
以下略
18
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/06/23(火) 02:12:01.46 ID:O6N65gcso
衣装合わせにはたっぷり時間をとるのがプロデューサーのやり方だった。
スタジオで実際に衣装を着て、パフォーマンスに支障がないか確かめる。
衣装の中には以前に使ったものもあって、なんだか懐かしい気持ちになる。
ふと、プロデューサーは口を開いた。
以下略
19
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/06/23(火) 02:12:42.53 ID:O6N65gcso
ラストコンサートは目前に迫っていた。準備の方もいよいよ峠を越えたらしい。
プロデューサーは、やっと寝る時間ができたと冗談めかして笑っていた。
私はと言えば、まだどこか信じられない気がしていた。
以下略
20
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/06/23(火) 02:13:12.86 ID:O6N65gcso
6
リハーサルではまず会場の大きさに圧倒されたけれど、観客が入り始めると、また違う種類の緊張が身体の中に意識される。
私の身長くらいありそうなスピーカーが、開演までの間を埋めるようにBGMを流している。
以下略
21
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/06/23(火) 02:13:39.60 ID:O6N65gcso
開演十分前を知らせるアナウンスが会場へ放送されると、熱せられたように観客の声が波立った。
嫌でも、身体に力が入る。
「リラックスしろ」
以下略
22
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/06/23(火) 02:14:05.51 ID:O6N65gcso
会場のほうでわあっ、と歓声が湧いたのが聞こえた。
流れていたBGMがいつの間にか、消えていた。じっとりと空気が張り詰める。
いよいよ、開演する。これで、最後なんだ。
以下略
23
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/06/23(火) 02:14:33.14 ID:O6N65gcso
「……ね、プロデューサーは、私のこと、どう思ってた?」
「律子のこと?」
以下略
24
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/06/23(火) 02:15:39.96 ID:O6N65gcso
7
私は幾千の目をほどくように手を振って、ステージを降りた。
裏は開演前と相変わらず、薄暗い。
プロデューサーが一番に、私を待っていることは分かっていた。
以下略
25
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/06/23(火) 02:16:05.38 ID:O6N65gcso
少し走ると息が切れてしまって、河川の上へかかる橋の途中で立ち止まった。
最後だと、これで最後なんだと分かっていたはずなのに。
私は橋の欄干にしがみついて、やっとの思いで立っている。
ステージの上へ、やっとの思いで立っていたように。
以下略
26
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/06/23(火) 02:16:44.45 ID:O6N65gcso
「律子! このバカ!」
プロデューサーの声が聞こえて、私はよかった、とため息をついた。
彼は息を切らしながら走って、やって来た。
以下略
27
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/06/23(火) 02:17:57.52 ID:O6N65gcso
心臓が押さえつけている下で、破裂しそうな魂が金切り声を上げていた。
足元の水たまりを思い切り踏みつけると、底に溜まっていた泥が煙のように混ざって、ひっくり返ったように跳ねた。
普段は絶対はかない踵の高い靴、靴下、ひらひらのついたスカート、せっかく綺麗なのに、汚れてしまった。
傷つけるように水を蹴って、みんな汚した。
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