11: ◆Rqkr/iCaBpzw[saga sage]
2015/07/11(土) 22:59:26.60 ID:if7sMFiq0
「梓ちゃんが?」
「はい」
「ダメよ。梓ちゃんは受験生だし。それにあの子は老猫だから」
12: ◆Rqkr/iCaBpzw[saga sage]
2015/07/11(土) 23:01:58.59 ID:if7sMFiq0
次の日。2人は動物病院へ。
猫を引き取り、昨日買ったキャリーケージへ入れる。
診察料を払った後、公園へ立ち寄った。
「それじゃあ出すね」
13: ◆Rqkr/iCaBpzw[saga sage]
2015/07/11(土) 23:04:26.72 ID:if7sMFiq0
頭をゆっくり撫でた後、そっと手を這わせて今度は喉元を撫でる。
すると黒猫は気持ち良さそうに喉を鳴らした。
「やっぱり猫さんはここを撫でられるのがいいんだ」
14: ◆Rqkr/iCaBpzw[saga sage]
2015/07/11(土) 23:06:35.90 ID:if7sMFiq0
再び紬が撫でると猫は抵抗しない。
「むぅ、こいつぅ」
梓が不満を漏らす。
15: ◆Rqkr/iCaBpzw[saga sage]
2015/07/11(土) 23:13:22.73 ID:if7sMFiq0
餌を食べた後も猫は梓の手をぺろぺろ舐めていた。
「梓ちゃんの手、おいしいのかしら」
可笑しそうに笑いながら紬が言う。
16: ◆Rqkr/iCaBpzw[saga sage]
2015/07/11(土) 23:17:27.21 ID:if7sMFiq0
そうして遊んでいるうちに紬は気づいた。
「この子のヒゲ、変わってるね」
紬の呟きを聞いて、梓は猫をまじまじと見る。
17: ◆Rqkr/iCaBpzw[saga sage]
2015/07/11(土) 23:18:04.87 ID:if7sMFiq0
つづく。
18:名無しNIPPER[saga]
2015/07/12(日) 09:50:56.48 ID:KYUJqWZPO
乙
19: ◆Rqkr/iCaBpzw[saga sage]
2015/08/10(月) 04:39:36.78 ID:yyMNkMTx0
春。
N女子大学入学式の数日前。
寮の一室に琴吹紬と中野梓はいた。
「それで、梓ちゃん、本当によかったの? 唯ちゃん達と同じ寮じゃなくて」
20: ◆Rqkr/iCaBpzw[saga sage]
2015/08/10(月) 04:41:25.48 ID:yyMNkMTx0
黒猫を飼うことを決めた当時、実家で預かってもらう予定だった。
唯達と一緒に暮らしていた寮はペット禁止だったからだ。
しかしその後調べて見ると、N女子大には寮が4つあり、そのうち一番古いこの寮だけはペットを飼えることが判明した。
紬はすぐに転寮手続きをとり、こちらの寮に越してきた。
唯達と離ればなれになるのは辛かったが、大学で毎日のように会えるので、我慢しようと決めたのだ。
21: ◆Rqkr/iCaBpzw[saga sage]
2015/08/10(月) 04:42:12.06 ID:yyMNkMTx0
「梓ちゃんが隣に来るって、ユズ。よかったね」
紬は膝の上に陣取っている猫の背中を撫でながら話しかける。
ユズと名付けられた黒猫はくつろいだ様子でそれを受け入れる。
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