117:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:56:12.23 ID:PVCiXxqLo
「もちろん、美樹さやかの魂はあの中にはない。
だけど、魂をなくしたあとの身体に、鋳型が残っていてもおかしくはない」
頭の中で、ピースが少しずつ組み合わさっていく。
118:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:57:20.65 ID:PVCiXxqLo
「彼女が力尽きたのが、魔獣の結界の中だったせいかな。
それにしても、こんな例は過去にも見たことがないけれど」
言葉は出せなかった。
119:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:58:44.40 ID:PVCiXxqLo
「よけろバカ!」
横から聞き覚えのある声と、力を受けて。
120:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:59:25.44 ID:PVCiXxqLo
「後にしろ!
それより、あいつだよ、何なんだ!?」
さらに杏子は被せるように、私たちの声をかき消した。
121:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:59:59.95 ID:PVCiXxqLo
すべての眼が、私を見て。
嗤ったような気がした。
次の瞬間。
122:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 00:01:12.16 ID:mAIq3Puio
避けられない、と思った。
視界に映るそれらすべてが光を集めて、空間を突き破る音が聞こえた。
でも、避けようなんて、もう頭に無かった。
123:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 00:02:10.16 ID:mAIq3Puio
『それは』
『あの子の骸を』
124:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 00:03:38.65 ID:mAIq3Puio
立て続けに、頭を殴り付けるように、フレーズが脳裏にフラッシュバックしては消えていく。
衝撃に揺れる私の元に、光が届く。
私の命を狩り取ろうと、迫っている。
125:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 00:04:48.90 ID:mAIq3Puio
◆
126:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 00:06:09.67 ID:mAIq3Puio
ただ一つさえ分かればよかった。
それが自分の意のままに動いて、目の前のあれを倒す助けになるのであれば。
今の私に、それ以上の情報は、必要無かった。
127:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 00:07:01.94 ID:mAIq3Puio
ぎりりと、鎧が嫌な音を立てた。
それは緩慢ながらも巨大な右腕を、振り上げて、重力のままに振り降ろした。
「ちょ、ちょっと……もう!」
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